【砂防指定地とは?(重要事項説明)】〜明治30年法の砂防法〜

この記事では、不動産取引における重要事項説明の一つである「砂防指定地」での建築等の行為制限について解説しています。

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。
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いやいやそれにしても砂防法は明治30年法律ですよ。1897年です。
つまり、100年以上前の法律が現在も有効に活用されているなんて、なんというかすごいですよね。
今回はその砂防法のうち、宅建業法の重要事項説明の義務規定である「砂防指定地」を解説します。




砂防指定地とは?

砂防指定地とは、砂防法第2条に基づき、治水上、砂防のための砂防設備を要する土地または一定の行為を禁止し若しくは制限すべき土地として、国土交通大臣が指定した一定の区域のことです。

簡単にイメージしてもらうと、土石流から河川渓流沿いの家屋を守るために実施されるもので、設置される砂防設備としては砂防ダムがあります。※東京都の場合には188渓流指定してされています。

なお、よく勘違いされる他区域として地すべり等防止区域急傾斜地崩壊危険区域とは異なるので注意が必要です。

>>砂防指定地の確認方法:都道府県の砂防関係部署で確認することができます。
  国土交通省では連絡先一覧表を取りまとめているのでリンク先を掲載しておきます。

砂防指定地の要件

  • 渓流若しくは河川の縦横浸食又は山腹の崩壊等により土砂等の生産、流送若しくは堆積が顕著であり、または、顕著となる恐れのある区域
  • 風水害、震災等により、渓流等に土砂等の流出又は堆積が顕著であり、砂防設備の設置が必要と認めるられる区域

とされています。

通常は、谷深い渓流沿いに指定されていることがほとんどかと思います。
砂防ダムが設置されていれば間違いなく指定されていますし、さらに、都道府県が設置した立て看板が設置されています。

管理に関する規定と砂防地内での行為制限(重要事項説明)

重要事項説明の対象となるのが、砂防法第3・4条となります。(第3条は準用規定)

具体的な法律は次のように書かれています。
明治時代に制定された法律なのでちょっと読みにくいので分かりづらいと思います。
*赤書部分は、カタカタの部分をわかりやすく表現し直しています。

第3条 此ノ法律ニ規定シタル事項ハ政令ノ定ムル所ニ従ヒ国土交通大臣ノ指定シタル土地ノ範囲外ニ於テ治水上砂防ノ為施設スルモノニ準用スルコトヲ得

この法律に規定したる事項は政令のよるところに従い国土交通大臣の指定したる土地の範囲外において治水砂防のため施設するものに準用することができる。

砂防法第3条

第4条第1項 第二条ニ依リ国土交通大臣ノ指定シタル土地ニ於テハ都道府県知事ハ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スルコトヲ得

第2条により国土交通大臣の指定したる土地においては、都道府県知事は治水上砂防のため一定の行為を禁止若しくは制限することができる。
第2条 砂防設備ヲ要スル土地又ハ此ノ法律ニ依リ治水上砂防ノ為一定ノ行為ヲ禁止若ハ制限スヘキ土地ハ国土交通大臣之ヲ指定ス
砂防設備を要する土地又はこの法律により治水上砂防のための一定の行為を禁止若しくは制限すべき土地は国土交通大臣これを指定する。

第4条第2項 前項ノ禁止若ハ制限ニシテ他ノ都道府県ノ利益ヲ保全スル為必要ナルカ又ハ其ノ利害関係一ノ都道府県ニ止マラサルトキハ国土交通大臣ハ前項ノ職権ヲ施行スルコトヲ得

前項の禁止も若しくは制限にして他の都道府県の利益を保全するため必要なるか又はその利害関係一の都道府県に止まらないときは国土交通大臣は前項の職権を施行することができる。

砂防法第4条第1項・第2項

砂防地の管理は、都道府県知事が実施し、管理に関する規定は都道府県知事の条例により定められており、砂防地内での建築等の行為についても制限する規定が条例により設けられています。

行為の制限として、竹木の伐採や土石・砂れきの採取等の行為に関して制限されます。

具体的な行為制限の内容については、都道府県の条等に定められており、砂防指定地内で制限された行為を行う場合は、都道府県知事の許可が必要となります。

下記は、東京都のケースとなりますが、基本的には、建築物や工作物の建築、宅地造成といった行為は制限の対象となります。

もちろん、砂防指定地内では、建築等に関して都道府県知事の許可が必要となりますが、基本的に危険な箇所(平成26年8月に発生した広島での土砂災害)ですから、建築等の許可については砂防上必要なものや砂防指定される前から建築されていた建築物以外は基本的に許可されないと考えてもらっていいのかなと思います。

それに、土地を購入(つまり土地取引)すること自体が少ないのかなーと思ったり・・・

(砂防指定地内での制限)

  • 施設又は工作物(以下「施設等」という。)の新築、改築、移転又は除却
  • 土地の掘削、盛土、切土その他土地の形状変更
  • 土石の採取、鉱物の採掘又は土石若しくは鉱物のたい積若しくは投棄
  • 竹木の損傷若しくは伐採、草木根等の採取又は火入れ
  • 土石又は竹木の滑り下ろし又は地引による搬出
  • 家畜類の放牧又は係留

不動産取引における重要事項説明においては、上記の制限内容を説明する必要があります。

基本的に都道府県知事に対して行為制限の内容を聞き取りしてその内容を分かりやすく説明する必要があります。また、補足として、砂防指定地内での取引の場合には、土地が固定資産税の減免を受けれている可能性があるので、このことについても買主から確認するようにしてみてください。

なお、繰り返しとなりますが、砂防指定地は、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、土砂災害特別警戒区域に並んで危険が区域となりますので、売主に対する災害リスクの高さに関しては説明する必要があります。

>>不動産取引において参考となる記事

ということで以上となります。参考になれば幸いです。