都市・地域総合交通戦略・地区交通戦略とは?(計画の構成とメリット・デメリット)

この記事で分かること

多大な業務委託費をかける必要はなく、「調査・分析以外は直営でつくれますよ」という個人的な考えから書いている記事ですww
責任は取れませんが知識とやる気とセンスがあれば絶対につくれます。

こんにちは。やまけん(@yama_architect)といいます^ ^
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ではでは説明していきましょう!!




都市・地域総合交通戦略とは?

都市・地域総合交通戦略自体に法的な根拠法はないです。その時点で何やねん!と思う方もいると思います。では、どこに根拠があるのかというと”国の要綱”です。

国の要綱とは、「都市・地域総合交通戦略要綱(平成21年3月16日、国土交通省都市局長)」となります。

都市・地域総合交通戦略の目的が規定されており、簡単にお伝えすると、都市計画マスタープラン(立地適正化計画を含む)における都市の将来像を実現するために必要な都市交通体系を構築することを目的としています。

第一 目的 この要綱は、進展する少子・超高齢社会への対応、交通渋滞の緩和、交通に起因する環境負荷の低減等のため、過度に自家用車利用に依存することなく、徒歩、自転車、公共交通等の各モードが連携し適切な役割分担のもと、望ましい都市・地域像の実現を図る観点から、地方公共団体を中心として、関係機関・ 団体等が相互に協力し、都市・地域が抱える多様な課題に対応すべく、交通事業とまちづくりが連携した 総合的かつ戦略的な交通施策の推進を図るものであり、もって魅力と活力があふれる都市・地域の整備を行うことを目的とする。

都市・地域総合交通戦略要綱(平成21年3月16日、国土交通省都市局)

これでも分かりにくいと思いますので、もう少し分かりやすく伝えると、都市計画の基本的な方針である都市計画マスタープラン(立地適正化計画を含む)の実現を図るための短期実行計画となります。

都市マスは方針がメインですから、その実現を図るための計画として都市・地域総合交通戦略があるわけです。とはいえ、計画のための計画みたいに見えなくもないので、なんのためにつくるのかイマイチだなと思う方もいるはずです。

なお、都市・地域総合交通戦略は大臣認定を受けることが可能となっています。
認定を受けることにより都市・地域交通戦略推進事業(地方公共団体は社会資本整備総合交付金)による支援を受けることが可能
となります。

ちなみに、立地適正化計画(誘導区域内)に基づく事業のみでも都市・地域交通戦略推進を活用することが可能となっているので、実際のところ、どのエリアでどのような実施したい(する必要ある)のかを見極めた上で、総合交通戦略を策定するのかどうか決めた方が無難です。

(デメリット)
ですので、本当に都市・地域総合交通戦略は必要なのか考えてみてください。重複する計画となる場合にはデメリットですし、地域公共交通計画が努力義務化された状況化においては、交通に関する計画が3つも4つもあっては管理が大変になるだけです。

では、総合交通戦略にはどのような内容を書く必要があるのかですが、戦略要綱によると次のように規定されています。

総合交通戦略の構成

都市計画マスタープランや立地適正化計画を有している都市は、❹と❺と❻について重点的に検討し官民で構成する協議会で決定すれば容易につくることが可能となっています。

ポイントは、推進体制と金です。
基本的に”金”があればなんでも実行可能です。

ですが、地方自治体の多くはコロナの状況や福祉政策に圧迫されて財政難の状況になっていますから都市政策の重要性を認識していない財政・政策部局職員がいると実現するのは困難を極めますね。
都市計画税を上手に使って欲しいところ。

ちなみにすぐにB/Cは?という人がいますが、それ美味しいの?と言い返したくなりませんか。ただの数字マジックです。便益が出るように事業を構築するのがあたり前です。というのがわたしの考えです。

推進体制等について

通常、都市マスや立適は20年先を目標として定めているので、短期的な施策を定める総合交通戦略は、都市マス等の実施プランという理解でいいと思いますが、総合交通戦略の推進についてはPDCAサイクルを回したり役割分担を明確化することで実効性を担保させていくという理解なのでしょうけど、短期の計画でPDCAでは時代の流れについていけるのかなというのが正直疑問なところです。

国では地域公共交通計画についても短期5年計画なのにPDCAを回せっていってますので、正直なところ、本当にうまくいくのかな?というのが疑問です。

実行施策の枠を決めたらアジャイル型で進めていく(つまり、PDR)方がより時代の流れをつかみやすく、より推進できると思うんですけどね。
もちろんガチガチの融通の効かない国の補助を活用するなら無理だと思いますけど、国の補助なんて使わないぜ!!という自治体の職員の方でPDRに興味がある方はこちらの記事も読んでみてください。
>>【PDR(Prep-Do-Review)】の使い方によって街づくりが変わる。

総合交通戦略策定のために使用できる支援は?

総合交通戦略策定には、街路交通調査費補助、社会資本整備総合交付金(都市・地域交通戦略推進事業)の活用が可能となっています。

また、総合交通戦略で定めた事業の実施にも、社会資本整備総合交付金(市町村等作成)や都市・地域交通戦略推進事業(法定協議会など)の活用が可能です。さらに、地域公共交通計画と歩調を合わせて事業を実施することも可能となっているのも特徴です。

>>「都市・地域交通戦略推進事業」と「総合交通戦略」との違いとは?分かり難い事業を簡単に解説(この記事は、総合交通戦略をつくらないと都市・地域交通戦略推進事業を活用できないわけではないよということを書いてます)

とはいえ、都市・地域総合交通戦略と地域公共交通計画、立地適正化計画の3つの計画に基づく事業について、どの事業にどのような補助事業をあててハード・ソフト施策を進めるのかを体系づくっていくのは非常に複雑な作業となるので簡単ではないと思います。

この補助体系がシンプルさに欠けるので自治体職員さんはめんどくさって思うんだと思いますね。実際にわたしも担当者ならこんなに複雑怪奇な補助体系にして!と言いそうww

正直、都市・地域総合交通戦略は3大都市圏に限定して、それ以外は立地適正化計画・地域公共交通計画に基づく事業に集約化した方がいいと思っている派です。計画が多過ぎるのも自治体職員の人手・能力不足に陥る要因です。(ポンコツコンサルの餌食になっている自治体を見ると忍びないです)

地区交通戦略とは?

地区・地域総合交通戦略のほかに地区交通戦略なるものがあるため、戦略を複雑化させている要因です。

地区交通戦略は、総合交通戦略のうち、都市の中心部といった「まちなか」に限定し、自動車交通を排除し人間中心の都市空間(街路空間)を形成するための計画となります。

歩行者中心の都市空間を形成するために必要な施策等を実施していくので、総合交通戦略と若干違うのかなと思いがちですが、地区交通戦略=都市・地域総合交通戦略 としてもいいと国が示しています。ですので、ある駅前のエリアに限定し、市街地再生に合わせて地区交通戦略を実施するというのも可能なわけです。

また、都市全体を見渡す総合交通戦略の中に地区交通戦略を定めることも可能です。

なお、地区交通戦略の構成は次のように示されています。

  • 対象エリア
  • まちなかにおけるまちづくりのビジョン
    行政と民間が共有する「まちなか」におけるまちづくりビジョンを定める。
  • 民間によるまちづくり活動
    民間の創意工夫による空間構築や空間活用の動きを把握。
  • 街路の性格づけ
    歩行者や自動車の流れに関する客観的なデータに基づく分析を行い、交通計画と街路の使い方に関するあり方を設定。
  • 具体的な取り組み
    エリアの価値を向上するための戦略取り組みを位置づけ(施策パッケージ)。
  • 評価指標

地区交通戦略の大臣認定とは?

地区交通戦略についても大臣認定を受けることが可能となっております。対象区域内の歩行者数、歩行者の滞在時間、小売業年間商品販売額その他の生活サービスに関する事業活動の状況を示す指標を設定する必要があることに注意が必要です。

ちなみに大臣認定を受けることにより立地適正化計画に基づく事業と同等に支援を受けることができるようになるのみなので、立地適正化計画をすでにつくっている都市については、認定を受けた方がメリットがあるのかどうかは十分な検討が必要です。

ということで以上となります。
少しでもお役に立てたら幸いです。次回以降は地域公共交通計画や計画を実現するための補助事業などについて簡単に説明できればと思います。

それではまた〜〜♪






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