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【土地活用の失敗】営業マンがあなたの家を訪問する前に知っておけば損を回避できる都市計画の基礎知識

ど〜〜も。こんにちは!やまけん(@yama_architect)です^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています。

親から引き継いだ土地(*市街化区域内であることを前提に書いています

「遊ばせておくのもったいないかも」と思っていたらある日突然「ピンポーン・・・」

不動産の営業マンが自宅に訪問してきてものすごい勢いで営業され、営業マン恐怖症になり、どうすればいいか分からなくて困ってしまった!

とならないために、大切な土地を活用をする上で、最低限知っておけば損を回避できる都市計画の知識をお伝えしたいと思います。

土地活用で損をしない=まちの為 となるのでまちに貢献したいと考えている方も是非読んでみてください。




人口減少・世帯数減少は回避できない事実

日本全体・県庁所在都市の人口減少の予測(出典:国土交通省)

これから日本全体、地方都市は上の図のように人口減少を迎えていきます。

現在の国の総人口(令和3年5月時点)は、1.25億人ですから、ピークの2010年と比べて、既に300万人近い人口が減少しています。1〜2の県が消滅しているということ。

人口減少にあわせて世帯数も減少するので、地方都市での人口を当てにした商売(代表的な事業は、賃貸住宅)は厳しい時代を迎えます。人口減少がとまればいいのですが、ほぼ無理と分かっているので、人口減少社会に合わせて不動産経営も変化していかないといけない状況になっています。

経営という言葉を使いましたが、不動産事業はあくまでも事業の一つなので、土地を遊ばせておくのがもったいないといった理由だけではじめてしまうと後悔します。

*平成22年度まで日本経済は停滞していたのに、東日本大震災以降、東日本での住宅需要や建替え需要が急激に増加して、経済が上向きはじめ、それにあわせて使っていなかった土地にサブリース・マスターリースで賃貸住宅を建てられた方が、10年目を迎える頃です。
地方の郊外を中心に人口減少が加速しはじめているので、コロナ後に経営が上手くいっていない地主さんが顕在化してくるんじゃないかと個人的に予想しています・・・

では本題に入っていきます♪

将来リスク回避:市街化区域よりも大切な区域

市街化区域よりも大切なことは、都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画(コンパクトシティ)に位置付ける「居住誘導区域」です。

営業マンにこう聞きましょう「この土地は居住誘導区域外(または居住誘導区域内)ですけど、あなたは将来展望をどう考えていますか?」この問いに対して、テキトーだなと感じたら速攻で帰ってもらいましょう。

居住誘導区域とは、その名のとおり居住機能を誘導していく区域のことで、市街化区域の中に指定され、都市再生特別措置法に基づき市町村が指定します。

都市全体を維持するため、一定の人口密度(少なくとも市街化区域設定水準である40人/ha以上は必須)を維持する区域を市街化区域内の中に設定し、そのエリア内で重点的に誘導施策を展開します。
この水準を下回ることになれば、人口集中地区が消滅するため、都市とは呼べないのでは・・・と私は思っています。

現在のところ都市計画そのものではありませんが、今後の都市計画行政では居住誘導区域を基準に道路や下水道、公園といった社会資本の維持が図られるようになることが考えられ、この区域に入っているかどうかで街の将来性が変化するはずです。

*不動産のプロが都市再生特別措置法を知っていなければ、都市の基本である都市計画を知らない超が付くほどのどしろ〜ととなります。分かっていないようであれば帰ってもらってください。

✔️ 関連記事>>「居住誘導区域とは」分かりやすく解説しました。

特に地方都市においては、この居住誘導区域以外では商業利用(アパート、駐車場、飲食店、店舗など)にリスクが伴います(大規模な土地の場合には工場や物流倉庫などは例外です)。

例えば、アパート経営であれば、当然人口が維持されない可能性があるため空室リスクが高まり、経営に行き詰まる可能性が高まり。その場合、設備のグレードを上げて、利便性の低い地域でも住んでもらえるような価値・サービスを提供しないと空室リスクを低減できません。

*30年間のサブリースをするから経営は大丈夫と勘違いしている地主さんがいます。
サブリースは空室リスクを保証してくれるから安心できると思っているようですが、勘違いですし、よーく考えてみて欲しいのですが、賃貸住宅経営は入居者がいて成り立つ商売です。空室が増えるということは結果的にオーナーがそのリスクを負担することになります。

>>国交省では、賃貸住宅経営(サブリース方式)をお考えの方向けに注意喚起を行なっていますので、こちらのページから、チラシをご覧ください。

ちょい脱線してしまいすみません。

市街化区域=人口増加・維持とは相関しない

前提として、駅やバスターミナル周辺の利便性の高いエリア(商業地域)を除いて話をしていきます♪

使用していない土地について、商業利用を行うためには都市計画法で規定する市街化区域が大前提にあるわけですが、市街化区域が市街化区域であり続ける担保はどこにもなく、人口が減少していけば市街化調整区域に編入される可能性があります。

そして何より、商業利用を可能にする周辺人口が今後も維持され続ける保証がないことを認識することが大切です。今後、地方都市では次の事象が生じます。

  • 市街化区域から市街化調整区域に編入される地域が増加
  • 市街化区域でも人口が減少し市街化が図られない地域が増加
  • 市街化区域でも道路や橋梁が維持されない地域が増加

土地活用をする上で、最も重要なことは一定の人口を有する地区かどうか。そして、その人口が将来も維持されるかどうかです。この考えが基本です。それ以外の要素で成功するためには専業として勉強し続けないと難しいかなと思います(わたしの不動産経営の知り合いは皆さん勉強されています)

ちなみに、これからも人口増加する東京都内や大阪や名古屋の一部の地域であればあまり気にする必要はないので、この記事は読まなくて大丈夫です。

ですが、土地活用で悩んでいる=悩んでいるほど時間がある。ということですから、この記事を読んでいる方も地方都市にお住まいになっている方かなと思います(都内であれば悩む時間はなく、悩んでいる時間量が大きなコスト損失になるので、記事を読む前に売却を優先するんじゃないかな〜)

土地を駐車場やアパート、飲食や店舗への賃貸などにする場合、基本的に周辺にどの程度の「人」がいるかが重要になります。都市計画の用途地域が工業専用地域である場合を除けば「人口」が全てです。

つまり、人口を有しない地域(将来、人口が維持できない地域)で土地を活用したところで、得られる収益は限定的となるため、商業利用は大きなリスクを伴うことが考えられます

法人として、自分が住む社宅にするなら節税対策としてありですけど、それ以外の地方の郊外ではちょっと厳しいかな〜と思います。

地方の郊外に行くとよく見る風景になってますけど、市街化区域内の農地がいつの間にか低クオリティの賃貸アパートに変わっていて、「あ〜〜、やっちゃったな」と思っちゃいます・・・(すでに、建築してしまった方すみません。)

そこで、経営リスクを少しでも減らすのであれば、居住誘導区域(都市機能誘導区域)であるかどうかが重要なポイントになるわけです地方都市最大の投資家である行政の考えに整合させておいた方が言うまでもなく正解です。

補足:土地活用=アパート・駐車場 だけじゃない

アパート・駐車場経営だけが全てではないです。

農業だってあるし、場合によっては戦略的に放置する方法もあります。そして、使いたい人がいる場合に貸したり売るという方法があります。

日本の制度上、土地を所有すると税金を支払う必要があるため、上記のいずれも選択せずにいると、それだけ所有者の損失になりますが、国全体でみてもマイナスです。

このような中でも不動産経営は都市の活力の源泉と言っていいほど、都市を形成するためになくてはならない存在となっています。出来ればリスク管理を適切にして後世に残せるような美しく機能美に優れた建築を目指すことも大切かなと個人的に思っています。

ということで以上となります。ちょっと過激な発言もありましたけどご了承ください♪
それではまた〜〜^ ^

その他、土地活用においては、災害リスクから守ることも大切ですので、よかったらこちらの記事もご覧ください。






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。