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【重説と都市再生法】重要事項説明において説明しなければならない内容を分かりやすく解説[売買編]。

この記事では、土地建物の取引(売買等)において必ず実施しなければならない重要事項説明(宅建業法)のうち「都市再生特別措置法」の内容を分かりやすく解説しています。

解説の前に簡単な自己紹介です!

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重要事項説明:都市再生特別措置法

重要事項説明(売買)に関するもののうち、都市再生特別措置法については宅建業法施行令第3条第1項第57号に規定されています。法令上はこちらです。

57 都市再生特別措置法第45条の7第45条の8第5項及び第45条の11第4項(これらの規定を同法第四十五条の十三第三項、第四十五条の十四第三項、第四十五条の二十一第三項、第七十三条第二項及び第百九条の四第三項において準用する場合を含む。)、第45条の20、第88条第1項及び第2項並びに第108条第1項及び第2項

宅建業法施行令第3条第1項第57号

上記の法令を表にまとめると次のようになります。

法令概要
法第45条の7都市再生歩行者経路協定(市町村長の認可)の承継効
*協定締結可能地域:「都市再生緊急整備地域」
※52地域指定(R4.10.28時点)
法第45条の8第5項
*法第45条の13第3項、第45条の14第3項、第45条の21第3項、第73条第2項及び第109条の4第3項において準用
都市再生歩行者経路協定・退避経路協定・退避施設協定・非常用電気等供給施設協定・都市再生整備歩行者経路協定・立地誘導促進施設協定(コモンズ協定)について、協定締結公告後、新たに土地等を所有した者にも効果が及ぶ。
*協定締結可能地域:「都市再生緊急整備地域」
※52地域指定(R4.10.28時点)
*都市再生整備歩行者経路協定の締結は、都市再生整備計画区域内
*立地誘導促進施設協定(コモンズ協定)の締結は立地適正化計画で規定する誘導区域内
法第45条の20備蓄倉庫所有者等管理協定について、協定締結公告後、新たに備蓄倉庫を所有した者にも効果が及ぶ。
法第88条第1項及び第2項居住誘導区域に関する制限の内容
別記事
「居住誘導区域とは」分かりやすく解説しました。
法第108条第1項及び第2項都市機能誘導区域に関する制限の内容
別記事
「都市機能誘導区域とは」分かりやすく解説しました。
重要事項説明が必要な都市再生特別措置法一覧(宅建業法施行令第3条第1項第57号)

一般的に法第88条と第108条以外は遭遇することはありません。

都市再生特別措置法に関する重要事項説明としては、居住誘導区域都市機能誘導区域に関する制限(届出制度)の説明が主です。

特に、両誘導区域を指定する「立地適正化計画(コンパクトシティの形成を推進する計画)」は全国の地方都市(将来、人口減少が進む都市)で策定が進められています。

将来の土地評価にも影響する計画なので、立地適正化計画について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

居住誘導区域に関して説明すること

都市再生特別措置法で規定されている内容は一見すると分かりづらいですが、要約すると「居住誘導区域外」において住宅地開発やアパート・マンション建築をする場合には、あらかじめ(着工の30日前)市町村長に対して届出を行って下さいとするものです。
(注)届出であり許認可ではない。

その理由として、居住誘導区域外については住宅機能を積極的に誘導する地域ではないためです。

ただし、許認可ではなく届出制度のため誘導区域外での建築動向を把握して、今後の対策(特にコンパクトシティ政策)に活かすこと目的とされています。
誘導区域内は人口密度を維持・改善することを目的としていますよね。その考えや行政の方針と矛盾する市場の動向を把握しておかないと長期的にみたときに都市全体に不経済をもたらす要因となる可能性があるからです。

重要事項説明においては次のポイントに絞って説明することが望まれます。

居住誘導区域

①居住誘導区域の内外の有無(内→a,外→b)
a 区域内であれば、行政が率先して居住を誘導し人口密度を維持(改善を含む)していく地域であることを説明(人口減少市町村である旨やコンパクトシティの形成を推進している旨を説明すると尚良い。)
b 区域外であれば届出制度(>>>詳細はこちら)の説明と将来的に人口密度の誘導を行っていく地域ではない旨を説明(居住誘導区域図を使って説明)。特にアパートや住宅地開発を検討している不動産投資家には説明必須。
※奇跡的な人口増加が生じない限り、誘導区域外に比べて地価は下落していく確率高。

都市機能誘導区域に関して説明すること

こちらも居住誘導区域外同様です。

都市機能誘導区域外において、誘導施設(立地適正化計画毎に定められる施設)の建築目的の開発行為や建築(既存施設の用途変更を含む)を行う場合に、あらかじめ(着工の30日前)市町村長に対して届出を行って下さいとするものです。
(注)届出であり許認可ではない。

その理由として、地方において、想定以上に低密度な市街地の拡大とそれに伴う日常生活に必要不可欠な施設(エッセンシャル施設)が拡散・点在するに至ったことにより、自家用車が中心の非効率な経済活動が展開される都市構造が形成されたことによります。
そのような状況から経済的に効率的な都市構造に転換させるため、既存の都市構造を活用しつつ都市機能誘導区域を複数設定し、そこに必要な周辺の誘導区域内外の利用者が使う誘導施設を誘導しようとするものです。

誘導施設の建築目的ではあるため買い手の購入段階で利用用途が不明のままであれば説明しようがないですが、誘導施設の建築や用途変更も視野に入れている方が買い手であれば確実に説明しておくことでトラブルを回避できます。

重要事項説明においては次のポイントに絞って説明することが望まれます。

都市機能誘導区域

①都市機能区域の内外の有無(内→a,外→b)
a 区域内であれば、行政が率先して居住を誘導し人口密度を維持(改善を含む)していく地域であることや誘導施設の誘導を図る地域であることを説明(人口減少市町村である旨やコンパクトシティの形成を推進している旨を説明すると尚良い。)
※都市機能誘導区域内はイコール居住誘導区域です。
b 区域外であれば届出制度(>>>詳細はこちら)の説明を説明(誘導区域図を使って説明)。特に誘導施設の建築を検討しているデベには説明必須。

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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など