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【自然換気・排煙】窓の角度に応じた計算方法[1/20・1/50検討]

この記事では、換気及び排煙無窓計算、排煙設備計算を行う場合の場合の窓の開放角度に応じた開口面積に対する低減率を分かりやすく解説している記事です。

この記事を読むことで、外倒し窓等の換気・排煙検討の際のミスを回避できるようになります。

ではなぜこのような記事を書くことにしたのか…

というのは、先日のこと。

相談を受けた戸建て住宅をチェックしていて、滑り出し窓の開放角度30度となっている窓だったことに気づかなくてそのまま換気・排煙計算をしてしまうというミスを犯したことによります(建築法規系ブログを運営しているのに笑えないミス…泣)。

自分も忘れないようにするためにこちらの記事を書いております。

それでは、早速解説です。




換気・排煙計算と無窓解除の話

無窓解除とは、建築基準法第28条第2項の換気計算、施行令第116条の2第1項各号等の計算などのこと。

この無窓解除計算は基本的には居室を有する全ての建築物において行いますよね。ただし、一部で例外があります。

それが住宅(2階以下かつ延べ面積200㎡)です。

住宅の場合には法第28条第2項の換気計算さえOKであれば排煙計算は不要となります(詳細記事はこちら>>>https://blog-architect.me/2021/02/02/law-116/

なので、通常住宅設計がメインの方は”排煙!?”となるわけです。

ですが、稀に戸建て住宅であっても3階以上だったり延べ面積が200㎡超のケースがありますよね。

この場合には、換気計算と排煙計算(厳密には1/20採光計算も)を建築確認申請図書に添付する必要が生じるわけです。この際に私のようについつい「計算方法をミスってしまうことがあるわけです」(笑えない…)

施行令第116条の2第1項第二号の無窓解除は排煙設備計算とは異なり単純に居室部分の面積に対して1/50開口(天井から80㎝の部分に限る)さえあれば適合です。

建築基準法第28条第2項

居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して、20分の1以上としなければならない。ただし、政令で定める技術的基準に従つて換気設備を設けた場合においては、この限りでない。

施行令第116条の2第1項第2号

開放できる部分天井又は天井から下方80㎝以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の50分の1以上のもの

ですが、窓の開き角度が45度未満のケースの場合の計算方法は法令には記載がないので自治体の取り扱い等をチェックする必要があります。

基本的な内容は、防火避難規定の解説書や建築法規PROを読むことで理解できるので「書籍買ってくださいね〜!!」で終わってしまうのですが、せっかくこのブログにお越しいただいたので私の方でも解説していこうと思います。

必読の参考書籍

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少し前置きが長くなってしまったのですが、それでは開放角度ごとの計算方法の解説です。

窓の開放角度が異なる場合の計算方法(すべり窓など)

外倒し窓、突き出し窓、内倒し窓、ガラリ窓、縦滑り窓の開放角度が異なる場合には、開放角度が45度未満であるかどうかが重要なポイントです。

45度以上の場合は低減されず通常の引き違い窓と同様の開口面積となります。

計算式の条件としては次のようになります。

  • 90度≧α≧45度 →1
  • 45度>α>0度  →α/45度

基本的に45度以上であれば計算上は開放角度を気にする必要はありませんが、45度未満の場合には、開放角度(α度)/45度が低減率(有効とみなせる部分)となります。

こちらの入力フォームからも算出することが可能です。

補足:自治体によってはsinθとしているところも

滑り出し窓の場合については、sinθにより算定を行っている特定行政庁もあります。

例えば30度の場合には、sin30=0.5となり単純に有効な開口面積は1/2となります。また、45度開口であっても0.7となり、防火避難規定の解説よりも低い数値となるので注意が必要です。

sinθにより算出するかどうかは特定行政庁の公式ページで公開していますので、公開していない場合には今回の解説のとおり防火避難規定の解説を準用することとなります。

補足:換気・排煙計算例

換気・排煙計算(無窓解除)の例です。

換気計算例

例えば、次の下図のような居室(1)と居室(2)があったとします。

居室(1)と居室(2)はふすまや障子等の随時開放することできるもので仕切られているので、建築基準法第28条第4項の規定により1室とみなすことが可能です。

計算式としては、居室必要な換気窓の面積は、(15㎡+10㎡)/20により求めることができます。今回の場合には、1.25㎡以上の開口部分が必要となります。

自然換気計算例(窓)

排煙計算例

次に排煙の無窓解除計算ですが、排煙無窓計算は施行令第116条の2に規定されていて、こちらも同様に2室1室とすることができる規定が同条第2項で決められています。

無窓解除計算の場合には、排煙設備計算とは異なり天井部分または天井下方80㎝以内に開放できる窓さえあればOKという規定です。

一応ですが、天井近くに設置する窓の場合には、容易に開放できるように手動開放装置の設置が求められています。

オペレーターの設置については、防火避難規定の取り扱い上は”望しい”なので設置しないことも可能ですが、常識的に設置しないと開放することができないので排煙設備要求に倣って設置するのが最適です。
*天井吊り下げ:床から概ね1.8mの高さ
*壁取り付け:床から0.8m〜1.5mの高さ

また、よく吹き抜け部分の排煙計算では天井高さが3m以上となるために計算方法によっては無窓解除できずに設備要求が生じる場合があります。

施行令第116条の2第1項第二号計算と設備計算は別モノなので注意が必要です。後日記事にする予定です。

では、排煙無窓解除の計算式ですが、下図の場合には、(居室1+居室2)/50となります。

補足:縦滑りの場合

縦滑りの場合にも同様に45度未満の場合に角度に応じた計算が必要となります。

縦滑りを窓を使う場合には、『開放可能な最大角度/45度』により計算します。
*計算上は横軸か縦軸かの違いのみ。

この計算から得られ数値に換気計算であれば開口部分の面積、排煙であれば天井下方80㎝以内の部分の開口面積を掛けて算出します。

下図は開放可能な角度が30度の例です。

補足:外倒し等で上部に庇がある場合(排煙計算)

窓の直近に庇があると煙が逃げないため十分な開口面積があったとしても有効とみなせないとしている特定行政庁もあります。

例えば、外倒し窓の場合には、Aの部分を開口面積とする特定行政庁もありますので、例えば、算定する開口面積よりもAの方が小さい場合、Aが開口面積となることがあります

このような取り扱いを行っている特定行政庁については、公式ページ等に取り扱い方針を掲載しているので計算前に確認しておく必要があります。

庇が窓直近すぎても両脇の隙間から上空に逃げていくのであまり問題はないように思いますが、煙の抜けづらさはあるかもなので、できる限りですが排煙無窓計算用の窓の直上には庇設置はあまりおすすめできないです。

あくまでも排煙計算上の話なので、施行令第116条の2第1項第二号計算においても準用しているかどうかは自治体によって異なります。

まとめ・補足記事の紹介

ということで以上です。

1/20と1/50の換気及び排煙計算を行う場合、窓の開くことができる角度が45度未満の場合には、開放角度(回転角)/45度で得られた数値を開口面積に乗じて算定します。

  • 90度≧α≧45度 →1
  • 45度>α>0度  →α/45度

補足記事


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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など