【排煙無窓解除の検討】施行令第116条の2第1項第二号の無窓解除の方法を分かりやすく解説

結論:施行令第116条の2第1項第2号の無窓判定は、居室に「開放できる部分」が必要割合以上あるかを見る規定です。2025年11月1日からは、壁の算入範囲が天井高さ2.6m以下なら天井から80cm以内、2.6mを超えるなら床から1.8m以上となり、所定の給気口・排気口を使う新しい算定方法も選べます。以前のように、すべての天井で一律に「最高部から80cm」とは整理できません。

こんにちは!やまけんです。設計の現場では「無窓解除」「1/50チェック」と呼ばれることが多い規定ですが、排煙設備そのものと混同されがちです。条文が改正された現在は、古い断面図や計算シートを流用すると、勾配天井・吹抜け・高天井で判定を誤るおそれがあります。まず検討の目的から分けます。


1/50無窓判定と排煙設備は別の検討

  • 令第116条の2第1項第2号:居室が法第35条関係の「窓その他の開口部を有しない居室」に当たるかを判定します。
  • 令第126条の2・第126条の3:排煙設備の設置対象、防煙区画、排煙口、開放装置、電源などを検討します。
  • 平成12年建設省告示第1436号:一定の区画・内装・避難条件等により、排煙設備を設けなくてよい部分を検討します。

令第116条の2の1/50を満たせば、その居室は第2号の無窓居室ではない、という結論です。それだけで建築物全体の排煙設備検討が終わるわけではありません。逆に1/50を満たさなくても、排煙設備を設けるか、適用できる告示免除を別に検討します。

2025年11月1日以降の算入範囲

  • 天井高さ2.6m以下:天井から下方80cm以内にある壁の部分と、天井にある開放できる部分を算入します。
  • 天井高さ2.6m超:床面から1.8m以上にある壁の部分と、天井にある開放できる部分を算入します。
  • 新しい給排気方式:告示第993号の構造方法による給気口・排気口を設ける場合、開口位置・高さ・床面積に応じた必要割合を用います。

この変更は高天井ほど「天井から80cm」に限定される不合理を見直すものです。ただし、床から1.8m以上ならどの窓でもよいわけではありません。実際に開放できる面積、開放角度、操作方法、隣接する庇・袖壁などを含めて確認します。

引違い窓はサッシ外形ではなく実際に開放できる部分、外開き・すべり出し窓は開放角度や周囲の障害物を考慮した有効面積で整理します。FIX窓は採光には使えても第2号の「開放できる部分」には算入できません。同じ窓でも、第1号の採光無窓、第2号の排煙無窓、自然換気で有効面積の考え方が違う点に注意してください。

勾配天井・段差天井・吹抜けの図面化

  1. 居室の範囲と床面積を確定する
  2. 天井高さを断面図に記載し、2.6m以下・超のどちらかを判定する
  3. 告示第992号による算入可能な高さ範囲を立面・断面へ着色する
  4. 各窓の開放形式、開放角度、算入面積を窓ごとに示す
  5. 合計が床面積の1/50以上かを確認する
  6. 1/50を満たさない場合は、排煙設備または告示第1436号等の別ルートへ進む

折上げ天井の一部だけを見て、室全体を平均天井高で処理するのは危険です。天井高さの扱いと開口部の位置関係が分かるよう、平面図だけでなく窓を通る断面図を用意してください。ふすま・障子その他随時開放できるもので仕切られた2室を一室とみなす第2項を使う場合も、固定壁や常時閉鎖する建具まで同じ扱いにはできません。

確認審査で説明するチェックリスト

  • 適用する条文が令第116条の2か、令第126条の2・第126条の3か、告示第1436号か
  • 天井高さ2.6mの判定根拠と告示第992号の算入範囲
  • 開き窓の有効面積と開放角度の根拠
  • 高窓を通常の使用状態で確実に開放できる操作方法
  • 告示第993号を使う場合の給気口・排気口、必要面積、開放装置
  • 庇、袖壁、網戸、防犯部材など実際の開放を妨げるもの

自治体の取扱いで確認すべきなのは、法律を別の基準へ置き換えることではなく、特殊な窓形状の有効面積や複雑な天井形状をどう図面化するかです。「自治体による」で終わらせず、採用した計算根拠と断面図を持参し、どの部分の判断を求めるのかを明確にしましょう。

既存建築物の用途変更や改修では、確認済図の天井高さと現況が一致するかも確認します。天井改修、設備ダクト、看板下地などで有効開口が塞がれている場合、竣工時の計算書だけでは現況適合を説明できません。現地寸法、窓の可動状況、操作部を写真と実測図で残すことが実務上の近道です。

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一次資料:e-Gov 建築基準法施行令第116条の2国土交通省・防火関係規制の見直し国土交通省・告示第992号、第993号国住指第322号(技術的助言)


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YamaKen都市と建築が好きな人
【資格】一級建築士、建築主事、宅建士、省エネ適合性判定員など /【実績・現在】元役人:土木行政・建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 都市づくりコンサル、建築設計、執筆、エンジニア/