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【排煙】住宅の吹き抜け部の無窓計算(自然排煙)

この記事では、無窓解除計算(施行令第116条の2第1項第二号)のうち、吹き抜けがある居室の計算方法について解説しています。

  • 排煙無窓検討(施行令第116条第1項第二号):吹き抜けのある居室の無窓計算

以前の記事で無窓計算の解説を行っていますが、自分で書いたことを忘れたりするんです・・・(笑)先日も吹き抜けのある3階建て住宅で1/50検討に携わる機会があったのですが、あれ!?どうするんだっけという感じで調べてしまったのです(笑)

ということでこれを機に解説しておこうという魂胆です。
(自分も忘れないようにするのと、知りたいときに使えるようにするため)。

解説の前に簡単な自己紹介です!!

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無窓解除の検討と排煙検討はベツモノ

以前の記事でも触れているので何度もしつこいなーと思った方は大変申し訳ありません。建築基準法施行令第116条の2第1項第二号計算と、施行令第126条の2の計算は全くのベツモノです。

以前の記事とはこれ!!

どちらも1/50計算なので一見すると分かりづらくて、かつ紛らわしいですよね。私も建築指導1年目のときは幾度も勘違いして先輩に注意されてました(泣)

異なる点としては、前者が居室のみの検討に対して、後者は非居室も含めて検討+”普通の窓”では適合しない点があります。

設計者なら誰もが通る道なので、いわゆる無窓解除と排煙計算は全くの別規定として捉えておくのが建築設計時に混乱しないことにつながります

例えば、階数3以上でかつ延べ面積が500㎡超の場合には、居室・非居室・廊下等を問わずすべての室において排煙設備検討が必要となりますよね。

ところが、施行令第116条の2第1項第二号の計算は、あくまでも居室に対して床面積の1/50以上の開口(窓)があればOKとしている規定です。

そして、この施行令第116条の2第1項第二号でNGとなれば排煙設備を設置(または告示緩和を適用)しなければならないという流れになります。

3階て住宅かつ吹き抜け

一般的には、2階建ての住宅かつ延べ面積が200㎡以下は、施行令第116条の2の1/50検討を行いNGとなっても施行令第126条の2第1項第五号に基づく告示の適用で排煙設備の設置が不要となります。

しかしながら3階建て住宅になると、施行令第116条の2の1/50以上が確保できているかどうか検討が必要となります。

詳細記事

3階建ての戸建て住宅や延べ面積が200㎡超の場合、無窓検討が必要となります。居室部分に吹き抜けがある場合には、単純に天井下方80㎝以内の位置に窓を設ける必要があります。このようなイメージ図のようになります。

あくまでも居室の床面積に対して天井下方80㎝以内の部分に開放できる窓を設ければOKです。
防煙垂れ壁による防煙区画が必要がないというのがこの規定です。ちなみに居室Aが非居室の場合には、居室B(2)に対して1/50以上の窓が設置されていればOKです。

くどいですが、窓と開放するためのオペレーター(手動開放装置)を設置すれば施行令第116条の2第1項第二号に適合可能です。*オペレーターの設置は「防火避難規定の解説」において設置が望ましいとされています。

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ところが排煙設備となると話は別です。

補足:無窓計算では、天井高3m以上のケースで使える緩和は不可

前提として、排煙設備の設置が必要な規模の建築物のケース以外で解説します。

今回は、3階建ての戸建て住宅や、2階建てで延べ面積200㎡超の吹抜けを有する戸建て住宅の場合を想定してこの補足記事を書いております。

結構勘違いすることがあるんですが、吹き抜けで、かつ吹き抜け部分の天井高が3mを超えていると、天井高3m超の場合の緩和(平成12年の排煙告示)を使おう!となります。(例:メンテナンスの関係からなるべく窓の位置を床面に近づけるため)

ところが、実際、この告示を適用しようとすると原則として吹き抜け部分に防煙区画が必要になります。*勾配天井の場合には平均天井高を算出します。

三 次に掲げる基準に適合する排煙設備を設けた建築物の部分(天井の高さが3メートル以上のものに限る。
イ 令第126条の3第1項各号(第三号中排煙口の壁における位置に関する規定を除く。)に掲げる基準
ロ 排煙口が、床面からの高さが2.1メートル以上で、かつ、天井(天井のない場合においては、屋根)の高さの2分の1以上の壁の部分に設けられていること。
ハ 排煙口が、当該排煙口に係る防煙区画部分に設けられた防煙壁の下端より上方に設けられていること。

平成12年5月31日建設省告示第1436号
排煙設備の設置を要しない火災が発生した場合に避難上支障のある高さまで煙又はガスの降下が生じない建築物の部分を定める件

緩和告示を使うと次のように防煙区画を設置する必要があります。
防煙区画の原則は、階ごとに区画です。

防煙区画は階ごと区画が原則ですが、避難上支障がないケースや大規模な空間を必要とする工場・物流倉庫などの用途上やむを得ない場合については、下図のように一つに区画することも可能です。

ただし、例外的な取り扱いになるため事前に特定行政庁と協議しておく必要があります(行政庁によっては取り扱いを公表しています)

ということで、平成12年告示に基づく告示緩和(天井高3m以上)を使う場合には、次のような手順を踏む必要があります。

  1. 施行令第116条の2第1項第二号による1/50検討でNG(窓位置を下げて天井下方80㎝NG)
  2. NGの居室に対して平成12年告示1436号第三号を適用
    または、任意で平成12年告示1436号第三号を適用させる
    ※確認申請図書には任意で設置している旨を記載する必要があります。

排煙設備の設置が必要ではない規模の建築物の場合、施行令第116条の2第1項第二号による無窓解除検討を行った上でNGとなった場合か、法上の要求はないものの任意に告示を適用して排煙設備を設置する場合のみです。

この排煙告示を適用する場合には、居室部分とそれ以外の部分を防煙壁や防煙垂れ壁(500㎜以上)で防煙区画する必要があることや排煙オペレーターなど排煙設備のルールの適合させなければならない点に注意が必要です。

防煙垂れ壁で区画するのはちょっとデザイン的にないかな…という方は、無窓解除検討でクリアしておくのが無難です。繰り返しですが、無窓検討であれば、単純に居室部分の床面積の1/50の開放を天井下方80㎝以内に設けた上で、手動開放装置(オペレーター)を設置すればOKとなります。

ということで以上となります。こちらの記事が施行令第116条の2第1項第二号の検討の際の参考になれば幸いです。

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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など