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【白地地域とは?】都市計画の業界用語を分かりやすく解説

この記事では、まちづくりや不動産取引の会話で使われることがある「白地地域」とは日本国内のどういったエリアを指すのか分かりやすく解説しています。

この記事を読むことで、業界の方々との会話の中で「白地」と言われてもすぐいにイメージがしやすくなるはずです!!

解説の前に自己紹介です。

YamakenBlogは、建築基準法や都市計画法、宅建業法など、まちづくりに関連する難解な法律を、元行政職員の私がシンプルでわかりやすく解説しています。
*YamaKenの由来は「山登り好き建築士」です。

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結論:非線引き都市計画区域内の用途地域の指定がない地域

結論としては、「非線引き都市計画区域=区域区分の指定がない」のうち、用途地域の指定が行われていないエリアのことをいいます。

区域区分とは?

正式名称は「用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)」または、建築基準法(用途地域制限)で「用途地域の指定のない区域(都市計画法第7条第1項に規定する市街化調整区域を除く)」とされています。

非線引き都市計画区域とは、市街化区域と市街化調整区域による指定(=線引き)を行っていない都市計画区域のことです。

関連記事:都市計画区域とは

非線引き都市計画区域は、人口が少なく比較的郊外への開発圧力が小さい都市が非線引きとなります。

実務上の経験としては、隣接都市に中大都市がないケースでかつ人口が10万人未満程度だとこの非線引き都市計画区域であると考えられます。

最新の統計データによると、全国の998都市計画区域のうち、256区域が線引き都市です。ですので、742区域が「非線引き都市計画区域」となります。また、非線引き白地の面積は、国内に4,639,248haとなっています。

種類区域数面積(ha)人口(億人)
都市計画区域99810,276,2591.19
 線引き都市計画区域2565,217,0930.99
 非線引き都市計画区域7425,059,1660.20
都市計画区域外37,797,4000.07
※出典:都市計画現況調査(国土交通省)

非線引き都市の例として、人口約6万人の千曲市の都市計画図を掲載します。
この都市計画図の中で、色(用途地域)が塗られていないエリアが白地となります。

※出典:長野県(外部リンク)

千曲市は単独都市計画区域を形成しており、隣接する長野市とは、鉄道で約20分、車で30分と比較的近い距離に位置しています。千曲市の交通計画を見てみると、長野と千曲の間で通勤・通学する人々が約1.5万人います。その影響で、千曲市の都市計画が長野市にも影響を及ぼしており、規制が低い農用地区以外の未開発地域(白地)では、無秩序な開発が進行して市街地が拡散していると考えられます。
これは、千曲市が何か間違っているわけではなく、交通網の発達による都市圏が広域化に対応できていない現代の日本の都市計画全般の課題を示しており、都市間の利害を調整する上での問題から、線引きと非線引きの都市計画区域を統一化することは現実的に困難な状況にあります。

では、なぜ、白地と呼ばれているのか。

白地と呼ばれている理由

白地と呼ばれているのは都市計画図において色が塗られていないためです。

「白地」という用語、法律・施行令・施行規則には一切見ることができないです。

唯一、国が公表している都市計画の運用指針(自治体が都市計画を決定する上で参酌する基本的な考え方)には、1度だけ登場します。それがこちら。

※都市計画運用指針(国土交通省)

白地地域という言葉はあるのに、白地地域の定義については一切の説明がないのです。

ですが、”白地地域の次に特定用途制限地域”という用語が登場しているので、宅建士試験を受験されている方ならご存知かと思います。

当該地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)に指定されるので、これで区域区分が指定されていない地域でかつ用途地域が指定されていない地域外のことと理解することも可能です。

もう一つの資料としては、国が審議会等で使用している資料です。
ここでは明確に白地とはどうった地域であることが図表で分かるようになります。

※資料(出典:国土交通省)

市街化調整区域=白地?

成田市(首都圏整備法により線引き都市)のQandAを読むと、市街地調整区域も白地と書かれているので誤解しやすいと思います。

※出典:成田市(公式ホームページ)

白地とは、その名のとおり都市計画区域内で色が塗られていない地域のことを指すとする解釈も一部ではあるようです。ですので、成田市のような見解になっていると思います。

確かに、非線引きの用途地域外も市街化調整区域も都市計画図上は白色なので白地です。

とはいえ、国の運用指針や資料を確認すると見解としては、白地=非線引き都市計画区域のうち用途地域以外 となります。

なお、建築基準法の高さ制限や建蔽率、容積率等で登場する「用途地域の指定のない区域」は、白地地域と市街化調整区域が含まれます。実際の建築制限ではそれぞれ異なる建蔽率や容積率、斜線制限が適用されています。

まとめ・補足

白地地域とは、区域区分(市街化区域/市街化調整区域)が定められていない都市のうち、用途地域が指定されていない地域(都市計画図上で白色の部分)が対象となります。

白地地域とは?

区域区分非指定の都市計画区域内かつ用途地域以外の地域

最後に補足です。建築基準法第48条では非線引き都市計画区域のうち用途地域以外では床面積1万㎡超の大規模集客施設の立地が制限されています。

さらに詳しく






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など