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【天空率❶】天空率とは?ー法律の基礎編(定義と意義)

いきなりですが「天空率」…建築基準法には”天空率”の3文字が書かれていないです。

私自身も建築指導に携わった1年目は天空率の審査があると恐怖にすら感じていました(汗)。

なぜなら法律の中で「天空率」の検索をかけてもヒットしないんですよね。

そこで、この記事では「天空率」の法律上の定義や意義の理解をお助けするための記事として書いています。

解説の前に自己紹介です。

YamakenBlogは、建築基準法や都市計画法、宅建業法など、まちづくりに関連する難解な法律を、元行政職員がシンプルでわかりやすく解説しています。
*YamaKenの由来は「山登り好き建築士」です。

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天空率の導入年

「天空率」は、平成14年7月5日に公布された「建築基準法等の一部を改正する法律」により新たに加えられた制度です。

施行年月日は平成15年1月1日(2003年1月1日)です。

2003年施行ということもあって比較的新しいの特徴的です。
また、審査経験上は年に数件当たるかどうかくらいというのが印象です。

特に狭隘な敷地であったり北側道路に面する敷地が利用する制度かと思います。なお設計の自由度が高まるかなと思います。

補足として施行日以降に建築着工した建築物のうち天空率を適用した計画は、建築計画概要書(下図参照)に記載されます。概要書は特定行政庁の窓口で閲覧可能です。

※建築計画概要書(抜粋)

天空率が記載されている法文は56条第7項

天空率は”高さ制限の緩和(≒合理化)”として制度化されたため高さ制限が規定されている法第56条に規定されています。

法第56条7項の条文はこちらです。

次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
▷道路斜線制限

 第1項第1号、第2項から第4項まで及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 前面道路の反対側の境界線上の政令で定める位置

▷隣地斜線制限

 第1項第2号、第5項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線からの水平距離が、第1項第2号イ又はニに定める数値が1.25とされている建築物にあつては16m、第1項第2号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあつては12.4mだけ外側の線上の政令で定める位置

▷北側斜線制限

 第1項第3号、第5項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。) 隣地境界線から真北方向への水平距離が、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内の建築物にあつては4m、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあつては8mだけ外側の線上の政令で定める位置
→敷地の北側が道路の場合には使用できない(*天空率使わなくても北斜クリア可能)

建築基準法第56条第7項

天空率を適用する建築物とは、道路・隣地・北側斜線制限により確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が確保される建築物のことです。

建築基準法第56条第7項に規定されていますが、「天空率」という文言は一切見られません(汗)。←ここが天空率に慣れるための第一歩と教えられた記憶…

☑️天空率
採光・通風の状態を検証する指標として、魚眼レンズに投影した建築物の投影面積から算出
☞(想定半球の投影面積-建物投影面積)/想定半球の投影面積*100

※施行令第135条の5

この天空率について、計画建築物と敷地いっぱいに計画可能な建築物(=適合建築物)とを比較します。すべての算定位置において計画建築物の天空率が大きければ高さ制限を適用せずに済みます。

緩和できる高さ制限は、法第56条第7項においてそれぞれ、一号が道路斜線制限、二号が隣地斜線制限、三号が北側斜線制限となります。

天空率が有効な建築計画は敷地幅に対して建物幅が小さいケースです。敷地幅に対して建物幅いっぱいに計画する場合には天空率を確保できない可能性が高いです。

天空率のルールは施行令第135条の5〜

法律では、天空率の具体的なルールは建築基準法施行令第135条の5から第135条の11まで規定されています。

次のようにまとめられます。

条項概要
第135条の5天空率の計算式が記載
天空率=As-Ab/As*100
第135条の6道路斜線制限天空率の適合・計画建築物の基準
第135条の7隣地斜線制限天空率の適合・計画建築物の基準
第135条の8北側斜線制限天空率の適合・計画建築物の基準
第135条の9道路斜線制限天空率の測定点
第135条の10隣地斜線制限天空率の測定点
第135条の11北側斜線制限天空率の測定点
天空率のルール(施行令第135条の5~11)

計画建築物とは?

適合建築物と計画建築物

「計画建築物」とは、その名のとおり建築計画する建築物のことをいいます。

計画建築物には、計画の建築物のほか、地盤(道路面よりも高い場合)、門、塀、フェンスなども含まれます

また、高架水槽や階段室等(階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓、棟飾、防火壁、屋上突出物等)、擁壁なども含まれます。

特に道路が地盤面よりも低い場合には地盤面や擁壁、塀等を記載しないと適切な天空率が計算されないため注意が必要です。
※塔屋の水平投影面積の合計が建築面積の1/8以下であっても計画建築物に含める。

建物のモデル化にあたっては実際の建物形状や地盤、門や塀などを忠実にモデル化してもOKですし、安全側に配慮して単純化してもOKです。

※建物形状の単純モデル化は審査側・設計者側双方にとってメリットがあります。
※審査経験上、審査では配置図や立面図、断面図とモデル図との整合が図られているかが重要になってくるのでなるべくモデルは単純化した方が良い考えている方です。
※私の場合は設計上JWcadを使用しているため建物のモデルを単純化するようにしています。

適合建築物とは?

適合建築物と計画建築物

「適合建築物」とは、敷地に建築することが可能な高さ制限いっぱいの建物形状のこと。

適合建築物は不利側としてモデリングすることもできます(ただし、審査者が単純モデル化していることが分かるように図書に記述)。

測定点(算定位置)・近接点とは?

天空率を測定点(算定位置)する位置は、敷地形状や接する道路、また、道路・隣地・北側斜線制限によって異なります。

実際に天空図を作成すると分かりやすいので別記事にまとめたいと思います。

天空率を適用した建築確認申請では、計画建築物と適合建築物の天空率(積分法)のうち、最も小さい測定点(近接点)の天空率を三斜求積図によって比較します。

一般的な判定として、天空率の検討の差は、0.02%以上が必要となります。

配置図(適合建築物・計画建築物)
天空率の計算例
近接点での比較

天空率で使える緩和

天空率では、道路や隣地地盤面との高低差、2A、外壁後退などでは緩和の利用が可能です。

具体的には敷地形状や道路、隣地との地盤の関係性によって対応方法が異なります。詳細は、建築確認申請MEMOや建築法規PROなどが分かりやすいのでリンクを掲載しておきます。

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また、JWCADで天空率の作図を行う場合にはこちらの参考図書がおすすめです。一般的な敷地形状等で特に複雑でなければこの書籍が十分です(私も参考にさせてもらっています!!)

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まとめ

天空率は、道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の合理化を図る目的で平成15年1月から制度化されたもの。*斜線制限に非適合であっても天空率を適用することで斜線制限を除外

  • 天空率の法文:建築基準法第56条第7項に規定
  • 天空率の計算式:(想定半球の投影面積-建物投影面積)/想定半球の投影面積*100
  • 計算方法:計画建築物と適合建築物(高さ制限に適合した形状)をモデリングし斜線制限毎に決められた測定点において天空率を計算
  • 判定方法❶:測定点ごとに「計画建築物の天空率≧適合建築物」を比較しすべての測定点で適合状況を確認
  • 判定方法❷:測定点のうち最も差が小さい点(近接点)で三斜求積を行い0.02%以上を確認

道路斜線天空率の解説






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など