【自治体によってルール違う!】路地状敷地・旗竿敷地の制限を分かりやすく解説

この記事では「路地状敷地・旗竿敷地」が受ける制限について分かりやすく解説を行っています。

この記事を読むことで、路地状敷地・旗竿敷地の判断、土地購入、建築計画する場合に注意した方がよい事項が理解できます!!

※この記事は、以前に書いた次の記事のリニューアル版です。




路地状敷地・旗竿敷地とは?

路地状・旗竿両方とも同じ意味で、地域によって呼び方が多少異なります。

路地状敷地とは建築基準法上の道路に接する敷地の幅が狭く、道路から見て奥が広がっている形状の敷地をいいます。

路地状の幅に対して制限を設けているのは、建物から道路に避難する際に通路(路地状の部分)が狭くなっていると避難上や消火活動上の支障があるためです。

路地状敷地・旗竿敷地の制限は建築基準法に基づく各自治体の「条例(地方議会で可決されるもの)」で定められています。根拠法は建築基準法第40条、法第43条第3項です。

このため、地域(特定行政庁の範囲内の自治体)によって制限を受ける内容が異なるのが特徴的で、路上状部分の判断方法も異なるのが特徴的です。
*この記事では路地状敷地・旗竿敷地の一般的な考え方と思って頂ければと思います。

こちらの図は路地状敷地・旗竿敷地の一般的な概念図です。
*最も右側の図は袋路状敷地であり路地状敷地・旗竿敷地ではない。

こちらの図では東京都の例を用いて解説します。

路上又は旗竿の部分とは以下の「L」の部分をいいます。東京都では基本的な考え方として見通しができない部分が発生すれば路地状敷地とします。

路地状敷地・旗竿敷地の制限は?

東京都の例では、路上部分の長さに応じて路地状部分の幅が決められています。

制限としては、路地状部分の長さが20m以下の場合には幅員は2m、長さが30m以下の場合には幅員は3mとなります。

なお、延べ面積が200㎡超の場合(耐火建築物、準耐火建築物等を除く)にはそれぞれ3m、4mが必要となります。

補足:自治体の条例

こちらは国内の三大市である、横浜、名古屋、大阪市における取り扱いの違いです。

  • 横浜市…条例:横浜市建築基準条例
路地状部分の長さの合計路地状部分の幅員
15m超25m以下3m以上
25m超4m以上
※横浜市建築基準条例第4条第1項
  • 名古屋市…条例:愛知県建築基準条例
路地状部分の長さの合計路地状部分の幅員
15m未満2m以上
15m以上25m未満2.5m以上
25m以上3m以上
※愛知県建築基準条例第6条第1項
  • 大阪市…大阪府建築基準法施行条例
    なし。ただし、都市計画区域内の長屋については4m以上(路地状ではなく専用通路としての扱い)。*条例第6条第1項及び大阪市建築基準法取扱い

路地状及び旗竿部分の捉え方(留意点)

路地状・旗竿の部分は、自治体によって判断が異なります。

例えば、次のケースの路地状敷地では、路地状長「L」の部分の考え方が異なります。東京都の取り扱いよりも愛知県の取り扱いの方が路地状の長さ短いです。

私が審査を担当していた自治体では路地状と敷地の違い(境界)は、一般的に4mとしていました。

ただし、大規模建築物や特殊建築物については、例えば自動車車庫では接道幅を6m以上とするなどのを規定しているケースもあるため注意が必要です。

また、路地状の長さによって必要な幅員が異なるため、次のような路地状敷地では幅員は2mではなく、全体で3mが必要となります。

一見すると20m未満部分は2m、20m超の部分は3mを確保しているため適合しているように見えますが不適合となります。稀に間違える設計者や住宅メーカーさんがいらっしゃるので注意が必要です。

敷地を分筆する予定の敷地などで路上状の幅をみや誤ると建築計画自体がNGとなるので注意が必要です。

また、不動産売買時にも路地状部分の幅によって建築可能な規模に制限が設けられているため「条例」の確認は必須です。

補足:路地状には有効幅員はあるの?

正解としては自治体によります。
札幌市のように工作物等がある場合には有効幅員とみなせないと公表している自治体もあります。

※出典:札幌市建築確認申請の手引きの抜粋

とはいえ、多くはルール(取り扱い)を公表していない(=有効幅員のルールはない)とするのが一般的です。

根拠としては、接道幅の部分に塀等があっても有効部分とみなすとする書籍(多くの自治体で採用されている青本)が公表されているためです。*青本は確認審査担当者の必須バイブル書です。
>>>次の記事にまとめています。

ただし、実際の避難や消化活動を考慮すると少なくとも有効幅員では3mは確保するのが望ましいです。できれば4m以上。

補足:路地状長さはどこを測るのか

路地状敷地・旗竿敷地で最も悩むのが路地状部分の長さは”どこからどこまで”なのかだと思います。

私自身も稀に狭小敷地の設計や相談を受けることがあり判断に悩むことがあります。

特に何度もお伝えしているように路地状部分の長さをどう捉えるかは自治体(特定行政庁)によって異なるためです。

条例は都道府県条例と市条例のどちらかで規定しています。
県単位で考えを統一している場合には都道府県条例に定め、市独自で運用している場合は市条例となります。両方条例がある地域はどちらかに規定しています。

こちらは札幌市が公表している路地状の考え方です(横浜市もほぼ同じ)。私が在籍していた特定行政庁も同じ考えで運用していました。

※出典:札幌市建築確認申請の手引きの抜粋

路地状部分の長さに関して取り扱いを公表していない特定行政庁が多いです。

ですので、公表していない自治体において、路地状部分の長さの判断に迷う場合には計画前に事前確認する必要があります。

まとめ

  • 路地状敷地・旗竿敷地に対する制限は「条例」で規定。
    *条例で定めていない自治体もある。
  • 路地状部分の長さに応じて路地状幅が規定
    *路地状の幅員は、概ね15m又は20m以下であれば2m以上、15m超等は3m以上。*詳細は各自治体の条例で確認
  • 路地状の幅(接道幅)によっては建築可能な用途、規模等が規定。
    *一戸建て住宅(2階以下)以外の建築物を計画する際には条例確認必須。

最後に繰り返しの内容となってしまいますが、路地状部分の起点と終点の位置は自治体によって異なるため重要事項説明や設計時には注意が必要です。

特に市街化調整区域での分家住宅や市街化区域内で開発逃れの分筆を行う場合には、再分筆とならないように予め条例や条例の取り扱いを確認しておく必要があります。
※主事の立場からすると東京都の条例が特殊なので東京の場合のみ特に留意しておく必要があります。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など