完了検査済証の交付を受けないと建築物は使用できないの?

悩み・疑問
・「完了検査の前に家具を搬入したい」
・「完了検査の前に絨毯やカーテンを設置したい」 などは、完了検査を受ける前に行いたい内容ですねー。
・特に、住宅の完成間近になると、家に入って実際の間取りなどを確認して、引っ越し後すぐ住めるようにしておきたい気持ちの表れでもあるかなとも思います。

完了検査の時の妨げになるとマズイので基本的には使用しないようにすることが必要ですが、建築基準法では一定規模以下であれば、「検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限」はありません。

今回は、完了検査の前に使用制限を受ける・受けない建築物について解説したいと思います。

こんにちは!!建築士のやまけんです。




検査済証の交付を受けた後でないと使用できない建築物

建築物の使用制限については、建築基準法第7条の6に規定されていますが、法律の記載としては、「使用制限を受ける建築物」となっています。

対象建築物 建築等の種別
建築基準法第6条第1項第一号〜三号建築物 新築
建築基準法第6条第1項第一号〜三号建築物(共同住宅以外の住宅、居室を有しない建築物を除く) 増築、改築、移転、大規模の修繕、大規模の模様替えで避難施設等に関する工事

○一号から三号建築物の概略としては次のような建築物です。
詳しくは建築物基準法第6条第1項をご覧ください。

一号建築物:床面積の合計が100㎡を超える特殊建築物
※平成30年改正により200㎡となる予定。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▶︎用途変更の面積規模が変更!(建築物の用途変更に伴って建築確認申請が必要となる規模が見直し! 100㎡から200㎡超えに)     
二号建築物:大規模木造建築物(3F以上、延べ面積500㎡・高さ13m・軒高さ9m超え)
三号建築物:鉄骨造・鉄筋コンクリート造(2階建て以上、延べ面積200㎡超え)

○共同住宅以外の住宅とは?
長屋や寄宿舎など

○避難施設等に関する工事とは?
廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラーその他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機、防火区画関係。
詳しくは、政令第13条に規定されています。

(建築基準法施行令第13条)
第13条 
法第7条の6第1項の政令で定める避難施設、消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機又は防火区画(以下この条及び次条において「避難施設等」という。)は、次に掲げるもの(当該工事に係る避難施設等がないものとした場合に第112条、第5章第2節から第4節まで、第128条の3、第129条の13の3又は消防法施行令(昭和36年政令第37号)第12条から第15条までの規定による技術的基準に適合している建築物に係る当該避難施設等を除く。)とする。
一 避難階(直接地上へ通ずる出入口のある階をいう。以下同じ。)以外の階にあつては居室から第120条又は第121条の直通階段に、避難階にあつては階段又は居室から屋外への出口に通ずる出入口及び廊下その他の通路
二 第118条の客席からの出口の戸、第120条又は第121条の直通階段、同条第3項ただし書の避難上有効なバルコニー、屋外通路その他これらに類するもの、第125条の屋外への出口及び第126条第2項の屋上広場
三 第128条の3第1項の地下街の各構えが接する地下道及び同条第四項の地下道への出入口
四 スプリンクラー設備、水噴霧消火設備又は泡消火設備で自動式のもの
五 第126条の2第1項の排煙設備
六 第126条の4の非常用の照明装置
七 第129条の13の3の非常用の昇降機
八 第112条(第128条の3第5項において準用する場合を含む。)又は第128条の3第2項若しくは第3項の防火区画
ですので、これに上記に記載のない建築基準法第6条第1項第四号建築物については、検査済証の交付を受ける前から使用することが可能となっています。

四号建築物とは?

四号建築物とは、建築基準法第6条第1項第一号から三号に該当しない建築物をいいます。

例えば、一戸建ての住宅で木造2階建て、床面積150㎡程度であれば四号建築物に該当します。
しかし、一戸建て住宅でも、鉄骨2階建ての場合には三号建築物に該当するため、使用制限が生じることになります。

また、小規模な倉庫(平屋で50㎡程度など)は四号建築物に該当するため、検査済証の交付を受ける前から使用することができるようになっています。

では、一戸建て住宅で鉄骨2階建てのような四号建築物以外の場合で、検査済証の交付を受ける前に使用したい場合はどうすればよいのか。

仮使用という方法があります。

仮使用について

先に結論を言いますと、大規模な建築物で部分的に使用する必要がある以外は、事務手続きや手数料を考慮すると、メリットは低いと言わざるを得ないです。
検査済証の交付を受けるまで待った方がいいし、そもそも仮使用を受けるメリットがありません。

やはり比較的規模の大きい建築物や区画割している建築物などで、先行的に店舗をオープンさせたい場合でしょうね。

ちなみ、仮使用については、以前は特定行政庁が行なっていましたが、現在は民間審査機関でも行うことができるようになっています。
詳しくは、建築基準法7条の6をご覧下さい。

(建築基準法第7条の6抜粋)
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる
一 特定行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたとき。
二 建築主事又は第7条の2第1項の規定による指定を受けた者が、安全上、防火上及び避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたとき。
三 第7条第1項の規定による申請が受理された日(第7条の2第1項の規定による指定を受けた者が同項の規定による検査の引受けを行つた場合にあつては、当該検査の引受けに係る工事が完了した日又は当該検査の引受けを行つた日のいずれか遅い日)から7日を経過したとき。
一号が特定行政庁による認定
二号が建築主事若しくは民間審査機関による認定(大臣基準あり)

まとめ

四号建築物であれば、検査済証の交付を受ける前から使用することができるようになっています。
とはいえ、検査時において家具や引越し荷物が置いてあったりすると、検査の邪魔になりますので、極力控えるべき、若しくは必要最小限にとどめべきことです。

特に消防の検査もある場合ですと、検査の妨げになります。
印象も悪いですしね、やめた方がいいです。

クライアントにも理解してもらうようにしておきましょう。

また、使用制限がある建築物の場合には、罰則規定もありますので基本的に使用てはダメです。
特に一戸建て住宅(三号建築物)の場合ですと問題ないと思って使用してしまいがちですが、法律違反になりますからやめましょうね。

それでは、今回も最後までご覧いただきありがとうございました!!