【敷地内通路の幅とは?】対象建築物と具体的なルールを解説

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。

建築や都市計画に関する情報を発信している建築士ブロガーです。

 

この記事では、敷地内通路の幅の制限を受ける建築物の要件等を解説します

それでは説明します。

 

なお、令和2年4月1日に敷地内通路の幅の規定が一部緩和されています。改正の概要を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

敷地内通路幅員の改正[令和2年4月1日施行予定]




敷地内通路の幅の規定

はじめに建築基準法施行令における規定を確認しましょう。

敷地内通路の規定は、建築基準法施行令の第5章避難施設等第2節廊下→避難階段及び出入口に規定されています。つまり、避難規定の分類に入るので、建築物からの避難を前提としてルール化されています。

建築物から人を避難させるため、また消火活動のための通路となります。

 

敷地内通路の規定は、建築基準法施行令第128条に規定されており、この施行令第128条は建築基準法第35条の適用を受ける建築物が対象となります。この2つの法令を理解すれば基本的にOKです。

【建築基準法施行令第128条(敷地内の通路)】
敷地内には、第123条第2項※1の屋外に設ける避難階段及び第125条第1項※2出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5m階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の敷地内にあつては、90㎝以上の通路を設けなければならない

👉※1第123条第2項:屋外避難階段
👉※2第125条第1項:避難階や居室からの屋外への出口までの距離

基本的な考えとして、建築物の出入口から道・公園・広場・空地(恒久的なもの)までの通路幅として1.5m(小規模建築物は0.9m)の確保が求められます。
※3階以下、延べ面積200㎡未満

でもって、対象となる建築物は次の建築物です。

対象建築物

【建築基準法第35条(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)】
別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物階数が3以上である建築物政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が1000㎡をこえる建築物については、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火、スプリンクラー、貯水その他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、政令で定める技術的基準に従つて、避難上及び消火上支障がないようにしなければならない。

法律第35条の建築物は次のものです。

  1. 法別表第1(い)欄(1)・(2)・(3)・(4)項の建築物
  2. 3階以上の建築物
  3. 採光・排煙無窓の居室を有する建築物
  4. 延べ面積(敷地内に2棟以上ある場合は合計)が1,000㎡超の建築物

 

上記に掲げて建築物の場合には、敷地内通路の幅が適用されるため、建築物の出口から道等までの通路として1.5m(0.9m)を確保しなければなりません。

 

次から対象となる建築物の要件を説明します。

適用される建築物(図解)

※作成:やまけん

 

敷地内通路が適用される建築物は、建築基準法第35条が適用される建築物となり、具体的には次の建築物です。いずれかに該当すれば対象となります。

法別表第1(い)欄(1)〜(4)項の建築物

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、病院、診療所(病床あり)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎、学校、体育館、百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場などの特殊建築物の用途に供する建築物が対象となります。

具体的の建築物の用地はこちらのページをご覧ください。

建築基準法別表第1の概要と解説(1号建築物とは何か)

3階以上の建築物

階数が3階以上の建築物が対象です。

なお、延べ面積(敷地内に複数の建築物が2以上ある場合にはその合計)が200㎡以下の場合には、敷地内通路の幅を0.9m以下とすることが可能です。

採光・排煙無窓の居室を有する建築物

採光・排煙無窓の建築物とは、建築基準法施行令第116条の2に規定されるもので、次のように規定されています。

採光・排煙無窓の居室を一つでも有する建築物は対象となります。

建築基準法施行令第116条の2(窓その他の開口部を有しない居室等)
法第35条(法第87条第3項において準用する場合を含む。第127条において同じ。)の規定により政令で定める窓その他の開口部を有しない居室は、次の各号に該当する窓その他の開口部を有しない居室とする。
一 面積(第20条の規定より計算した採光に有効な部分の面積に限る。)の合計が、当該居室の床面積の20分の1以上のもの
二 開放できる部分(天井又は天井から下方80㎝以内の距離にある部分に限る。)の面積の合計が、当該居室の床面積の50分の1以上のもの

  • 採光計算において算出した面積の合計が、居室の床面積の20分の1以上
  • 排煙計算において算出した面積の合計が、居室の床面積の50分の1以上

 

上記に該当しない場合は、無窓居室を有する建築物として敷地内通路幅の規定が適用されます。

延べ面積1,000㎡超

敷地内の延べ面積の合計が1,000㎡超える場合は、敷地内通路の規定が適用されます。
*同一敷地内(確認申請上の敷地)の建築物の合計なので注意してください。

 

では、次に補足です。

補足(通路部分の条件など)

敷地内通路って「敷地」ってあるように屋外通路なのです。

つまり、屋外であることが前提なのです。

 

わたしが建築審査を担当しているときも、狭小敷地での3階以上の建築物の設計である場合には、敷地内通路の幅を確保すことが難しいと相談されるケースもありました。

そんなこと言われても無理なのは無理なので設計し直しですねと当時は冷たく伝えていたこともあったように思いますが、今ではその気持ちも分かりますます(´∀`)

特に1階部分をピロティにする場合などはどうしたらいいか悩むはずです。

特定行政庁ごとに取り扱いが異なるので、『特定行政庁名 敷地内通路』で建築基準法条例や取り扱い基準を検索し、基準をホームページ上で確認することができればOKです。

そうではない場合は、特定行政庁に連絡し、敷地内通路の取り扱い基準があるかどうか確認します。

あればそこで情報を確認すればOKですし、無ければ「次の書籍(防火避難規定の解説)」を参考としているか確認します。規模の大きい都市ではない限りは、防火避難規定の解説を参考にしているはずです。

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こちらの書籍は、主要都市の取り扱いが記載されているので参考にはなりますが、念のためホームページや電話にて最新の取り扱いを確認する必要があります。

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本記事のまとめ

この記事では、敷地内通路幅の制限について説明しました。

ポイントしては、建築基準法第35条の適用となる建築物かどうかがの確認が必要です。その上で建築物の規模等によっては、幅員を1.5m以上から0.9m以上に緩和することが可能です。

また、敷地内通路については屋外通路であることから、屋外通路とはいえない通路(屋根あり・ピロティ構造など)の場合には、特定行政庁ごとに取り扱いが異なりますので、特定行政庁に確認するようにしてみてください。

 

それでは以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。参考となれば幸いです。