屋内的用途を分かりやすく解説。結論は床面積に算入する。

この記事では、床面積の算入する必要がある『屋内的用途』を解説しています。

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。
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ということで、今回、YamakenBlogで解説するのは、『屋内的用途』です。

屋内的用途に該当すると床面積に算入することとなります。
外気と接するピロティや軒が深い庇、ポーチなどの設計を行う場合には、その部分が床面積に算入するかどうか悩むところだと思います。

通常は、建築主から使い方のヒアリングを行い、屋内的用途に供する場合には、床面積に算入するかどうか決定するところだと思いますが、判断に迷うことがあると思います。
その場合は、床面積に算入するのが妥当です。では、屋内的用途とは?を説明します。




屋内的用途とは?

屋内的用途とは、『居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の陳列、保管、格納』などを目的とする部分をいいます。つまり、屋内(室内の居室・非居室)と同様な使われ方(用途)をする部分をいいます。

屋内的用途

居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の陳列、保管、格納などの目的に供する部分
*前提として、外気に十分に解放された空間(ピロティやポーチ、ベランダなど)

この屋内的用途に供することで、その部分は外気に開放されていたとしても床面積に算入しなければなりません。あまり適切な言葉ではないかもしれませんが、床面積の大きさは建築基準法第48条の用途制限をはじめとして、様々な規定に影響しますから、設計の歳には注意が必要です。

具体的には、三面が十分に外気に開放されているピロティであっても、屋根下の部分が、屋内的用途に供する場合は、床面積に算入することとなります。

建設省住指発第115号
昭和61年4月30日特定行政庁建築主務部長あて住宅局建築指導課長通知 (抜粋版)

記1 建築物の床面積の算定
建築物の床面積は、建築物の各階又はその一部で、壁、扉、シャッター、手摺、柱等の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によるものであるが、ピロティ、ポーチ等で壁、扉、柱等を有しない場合には、床面積に算入するかどうかは、当該部分が居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の保管又は格納その他の屋内的用途に供する部分であるかどうかにより判断するものとする。例えば、次の各号に掲げる建築物の部分の床面積の算定は、それぞれ当該各号に定めるところによるものとする。(1) ピロティ
十分に外気に開放され、かつ、屋内的用途に供しない部分は、床面積に算入しない。
(2) ポーチ
原則として床面積に算入しない。ただし、屋内的用途に供する部分は、床面積に算入する。
(3) 公共用歩廊、傘型又は壁を有しない門型の建築物
ピロティに準じる。
(4) 吹きさらしの廊下
外気に有効に開放されている部分の高さが、1・1m以上であり、かつ、天井の高さの2分の1以上である廊下については、幅二mまでの部分を床面積に算入しない。
(5) バルコニー・ベランダ
吹きさらしの廊下に準じる。

補足:荷捌き場・工場の大きな庇

荷捌き場のように、庇の下部で作業が想定される場合には、屋内的用途に供するとされるため、屋内的用途に供する部分を床面積として算入します。

どのような使われて方がするのか推定が難しい場合や明らかに庇としての効用以外の作業等が生じる用途の場合は、全ての部分を床面積に算入します。

なお、床面積に算入しない例としては、一時的な車の乗降スペースとして利用する場合や歩行スペースとしての利用する場合など(その場合でも、庇先端から2mを超える部分は床面積に算入)ですが、荷捌き場や工場のケースで、エリアを特定できない場合は全ての部分の算入が妥当です。

なお、特定行政庁によっては、庇先端から1mを超える部分を床面積に算入するよう指導している場合もあります。なるべく床面積を減らしたいと考えている方は最終確認を特定行政庁に行うようにしてください。

また、庇の下部部分については、単純な車両の寄り付き程度であれば次のような取り扱いとなります。ただし、物品の保管などの屋内的用途に供する場合には適用できません。
・延焼の恐れのある部分には該当しない。
・面積区画の面積に算入しない。
・法第27条の面積に算入しない。
注)上記は一般的な考え方です。特定行政庁によって取り扱いが異なります。

こちらの書籍にも考え方が掲載されています。

この『建築物の防火避難規定の解説』は、特定行政庁が個々の建築相談事案ごとに単体規定の取り扱いを協議する際に参考とする書籍ですので、持っていないと協議することができませんので、お持ちではない方は必ず入手しましょう。

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補足:軒の深い庇(2m超)

2m超の庇は、吹きさらしの廊下やベランダと同じ扱いとなり、原則として先端から2mを超える部分は床面積の算入となります。

理由としては、2mを超える場合は、その部分を物品の保管や作業スペースといった屋内的用途に供する可能性があるためです。

なお、2m超に関係なく、庇下部を屋内的用途に供する場合には、その部分を床面積に算入します。
住宅の場合ですと、庇下部に物干しを設置する場合がありますが、その場合は屋内的用途に供すると考えられるます。

レストランのテラス席に設けられる可動式の庇については、営業時間のみ使われているだけなら床面積に算入しないはずです。(はずですとしたのは、わたしが審査を担当していたときの取り扱いであり、他の特定行政庁の取り扱いが不明のためです)

補足:太陽光発電設備との関係

太陽光パネルの下部を屋内的用途に供する場合には、工作物ではなく、建築物として取り扱うこととなります。

その場合、単位規定・用途制限が適用されることとなるため、注意が必要となります。
参考:技術的助言:平成23年3月25日国住指第4936号

屋内的用途が何に供するかにもよりますが、原則として市街化調整区域内では建築することはできません。また、市街化区域内でも用途制限があるため、低層住居専用への設置は困難となります。住居系を除く、工業系用途地域への設置を検討します。