この記事では、「ゲームセンター、ゲームコーナー」が立地可能な都市計画法・建築基準法上の用途地域について解説を行っています。
こんにちは~やまけん(@yama_architect)です^ ^
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建築基準法や都市計画法といった都市づくりに欠かせない法律は、複雑かつ難解なので理解に苦しみますよね。そのような方のために、法律を上手に活用してビジネスや生活に活用してもらいたいと思いつくったブログです。
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ゲームセンター・ゲームコーナーの用途地域制限
最近のゲームセンターといえば、某YouTuberの方々にとって新たな市場が開拓されたと言っていい「クレーンゲーム」だと確信(私の個人的な印象です)。
コロナによって一時は低迷していた時期もありますが、協会(JAIA)によるとアミューズメント産業の市場は、約5,300億円(2020年度)となっているので、2022年度の統計からコロナ禍前の約7,000億円も突破するのではと思います。
まちづくりにも直結することですが、高齢者が増加し持て余す時間を何に費やすのか・・・
YouTubeやネットTV、SNS等の以外のも競馬や競輪、競艇、パチンコといった娯楽はありますが、比較的投資費用が低く抑えられる健全なゲームセンターは伸びていきそうな予感です。
(あらかじめてお伝えしておくと、やまけんは業界の人でもなく、PR案件でもないのです!!単純にクレーンゲームは好きな方なだけ・・・)
ですので、今後も娯楽を求める層市場は伸びていくと思いますが、このゲームセンター、都市計画法及び建築基準法、風俗営業法によって立地可能な場所は決まっています。テキトーに商売をはじめることで街の風紀を乱すのはもちろんのこと、警察庁所管の法律のですので、簡単に摘発されますのでご注意ください。
ということで、立地できる用途地域を解説します。
ゲームセンターは風俗営業法第2条第1項第5号に該当(営業には風俗営業法第3条第1項の許可が必要)し、建築基準法別表第2に掲げる「マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの」の”その他これらに類するもの”に該当します。
勝馬投票券発売所及び場外車券売場については、不特定多数の人が出入りする施設で住宅地及び工業地になじまない施設であるほか、近年大規模なものが建築され周辺住民と紛争を生じさせているものがあることから、今回新たに規制対象とすることとしたものである。なお、「その他これらに類するもの」とは、ゲームセンターのほか、射幸心をそそるおそれがある営業を営む施設として、モーターボート競争法に規定する場外発売場等が含まれるものである。
「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律等の施行について」(建設省住指発第225号、建設省住街発第94号平成5年6月25日)
用途地域名 | ゲームセンター等の建築可否 |
---|---|
第一種低層住居 | ❌ |
第二種低層住居 | ❌ |
田園住居 | ❌ |
第一種中高層住居 | ❌ |
第二種中高層住居 | ❌ |
第一種住居 | ❌ |
第二種住居 | ⭕️ *用途部分の床面積1万㎡以下 |
準住居地域 | ⭕️ *用途部分の床面積1万㎡以下 |
近隣商業地域 | ⭕️ |
商業地域 | ⭕️ |
準工業地域 | ⭕️ |
工業地域 | ⭕️ *用途部分の床面積1万㎡以下 |
工業専用地域 | ❌ |
非線引き白地 | ⭕️ *用途部分の床面積1万㎡以下 |
上記はあくまでも建築基準法に基づく基本的な用途地域制限の内容となります。
これに加えて、風俗営業法に基づく各都道府県の条例において、住居系用途地域では建築することができません。また、学校や病院、図書館などから一定の距離を確保するなどの諸条件が決められています。
つまり、原則として、建築可能な用途地域は、「近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域」に限定されます。また、非線引き都市計画区域のうち白地地域にも建築することが可能です。なお、工業地域内においては、床面積制限として1万㎡以下であることが求められます。
さらに、自治体のよっては、地区計画や特別用途地区の指定によって別途制限を行っているケースもありますので、一概に商業系・工業系用途地域だからという理由で建築できるわけではないことに注意が必要となります。
ゲームセンターとゲームコーナーは異なるもの??
風俗営業法の許可が不要な一部のゲームコーナー(ショッピンセンターの一部に設置するもので3方向を壁等で囲まれていないなどの条件)については、前述の用途制限は適用されず、単純に遊技場の一部として認識しがちです。
ですが、よくよく考えてみて欲しいのですが、ゲームコーナーもゲームセンターも”用途としての使い方”に差異はありません。
ゲームコーナーの一部は単に風俗営業法の許可を受けなくても、風俗営業法上運営できる施設であり、風俗営業法の適用自体が逃れるわけではないので注意が必要となります。
なお、最終的には風俗営業法の許可が必要かどうかについては管轄する警察署の判断となることに注意が必要です。
一部の特定行政庁では、風俗営業法の許可が不要なゲームコーナーは「遊技場」として取り扱っているところもあるようです。この理論だと良好な住環境を確保する第二種中高層専用地域や、工業専用の工業専用地域でも24時間営業可能なゲームコーナーも建築できてしまうので・・・用途地域の趣旨と反しているように思います・・・
※不特定多数の人を集客する施設でもあるので商業地域系にあるのが望ましい。
建築基準法の用途地域制限は〇〇法の適用を受けるかどうかで判断することもありますが、基本はどのような使い方をするかで判断するという原則があるので、原則論で判断する方が後々、警察や行政、地域住民と揉めるようなことも回避できると思います。
補足:耐火性能にも注意
建築基準法上は特殊建築物(耐火建築物等としなければならない建築物)に該当するため、3階以上の階に「ゲームセンター」や「ゲームコーナー」がある場合は耐火建築物等に、2階以上の床面積が500㎡以上となる場合には、準耐火建築物等としなければなりませんので、既存建築物の用途を変更してゲームコーナーを設置する場合には注意が必要です(大型機械の搬入を考慮すれば基本は1階ですかね・・・)
詳細は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
まとめますと、ゲームセンター・ゲームコーナーが建築可能な用途地域ですが、各都道府県の条例により住居系用途地域での建築が禁止されていることなどを踏まえると次のようになります。
なお、ゲームコーナーで風俗営業法の不許可の場合には遊技場として扱う一部の特定行政庁がありますのでご注意ください。また、都道府県の条例(警察所管)によっても取り扱いが若干異なりますので最終的な協議・調整は警察署と行う必要があります。
繰り返しですが、ゲームコーナーの一部では、風俗営業法の許可が必要となるケースと不要となるケースがあります。施設規模やゲーム機の配置、店内レイアウト等によって異なり、また判断も各都道府県によっても異なります。
これからゲームセンターやゲームコーナーの設置を検討されている方は、風俗営業系の許可(特にゲームセンター)に強い行政書士等に依頼することをおすすめします。
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近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域(1万㎡以下)、非線引き白地(1万㎡以下)
*風俗営業法不許可の一部のゲームコーナー(特定行政庁によって判断は異なる)
第二種中高層(2階以下、1,500㎡以下)、第一種住居(3,000㎡以下)、第二種住居(1万㎡以下)、準住居(1万㎡以下)、近隣商業、商業、準工業、工業(1万㎡以下)、工業専用、非線引き白地(1万㎡以下)