この記事では、「バリアフリー新法」は建築基準関係規定に該当するのかどうか簡単に解説を行っています。
こんにちは。YamakenBlogです。
YamakenBlogでは、難解な建築基準法や都市計画法をわかりやすく豆知識として発信しています。元公務員で建築指導業務をはじめ15年以上にわたり建築や都市計画、不動産に携わってきました。このブログを通じて建築や都市計画好きな方と繋がれることを期待しております。
バリアフリー法は建築基準関係規定に該当
バリアフリー法という文言は、建築基準関係規定とは何かが書かれている建築基準法令第9条の中の建築基準関係規定には記載されていません。ですので一見するとバリアフリー法は建築基準関係規定には該当しないと思ってしまうことがあります。
では、どこに掲載されているかというと、バリアフリー法第14条第4項に規定されています。
(特別特定建築物の建築主等の基準適合義務等)
バリアフリー法第14条(抜粋)
第14条 建築主等は、特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)をしようとするときは、当該特別特定建築物(以下この条において「新築特別特定建築物」という。)を、移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の構造及び配置に関する政令で定める基準(以下「建築物移動等円滑化基準」という。)に適合させなければならない。
2〜3 (略)
4 前3項の規定は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなす。
前三項の規定とは、建築物移動等円滑化基準に適合させなければならない特別特定建築物や、基準維持、条例付加に関する規定です。
つまり、第1項に関する規定が、特別特定建築物の建築物移動等円滑化基準への基準適合なので、この規定により、基準に適合しているかを建築確認審査の中で確認します。
補足記事:当別特定建築物についてはこちらを参照ください。
建築確認審査の対象となる建築物は?
建築の内容 | 対象規模 | 対象用途 | |
---|---|---|---|
新築 | 床面積の合計が2,000㎡以上 (公衆便所は50㎡以上) | 特別支援学校 病院、診療所 劇場、観覧場、映画館、演芸場、集会場、公会堂、展示場 百貨店、物販店舗 ホテル、旅館 保健所、税務署等 老人ホーム、福祉ホーム等、老人福祉センター 児童厚生施設、身体障害者福祉センター等 体育館、水泳場、ボーリング場、遊技場 博物館、美術館、図書館 公衆浴場、飲食店、サービス業を営む店舗等 旅客ターミナル等、公衆便所、公共用歩廊 | |
増築、改築、用途変更 | 増築、改築、用途変更に係る部分の床面積の合計が2,000㎡以上 |
基本的には、事務所以外の店舗等で床面積が2,000㎡以上となる建築物が対象となります。
なお、増築等の場合は、増築等に係る部分の床面積が対象となるので注意が必要です。
基準は?
基準である「建築物移動等円滑化基準」は、施行令第11条から第23条まで規定されています。
基準は事細かく規定されているので詳しい説明は省略します。今後、時間があるときにまとめたいと思います。
なお、ホテル又は旅館の客室に関する規定は、改正されています。
詳しくは過去に書いた記事(ブログ内リンク)を参考にしてください。
補足記事:バリアフリーの基準はこちら
認定を受けるには?
法第17条では、所管行政庁(建築主事を置く市町村、特別区、都道府県)から認定を受ける規定です。
なお、認定を受けるには、「建築物移動等円滑化誘導基準」に適合しなければなりません。上段で説明した「建築物移動等円滑化基準」とは違うので注意が必要です。
なお、認定を受けると、容積率の特例(※)を受けることができるようになります。
(※)令第24条、平成18年国交省告示第1490号
補足記事:バリアフリー認定についての記事はこちら
その他・参考
バリアフリー新法では、特定建築物(特別特定建築物以外)でも、「建築物移動等円滑化基準」に適合させるために、必要な措置を講ずるよう努めなければならない。とされているので、ご留意ください。
バリアフリー法の基準に該当する建築物については建築基準関係規定に該当することとなり、建築確認申請においてチェックされることとなります。
補足記事:建築物省エネ法についてはこちら