今回は、上記のような悩みを抱える新入社員に向けて書いている記事です。
こんにちは!建築士のやまけんです。
建築や都市計画に関する情報を発信しながらゆる〜く生きています。本業はコンサルタントです。
目次
はじめに法令集を読もう
不動産・建築業界の企業に入社して早々ですとあり得ないかなはと思いますが、二級建築士・一級建築士の試験勉強のために法規の勉強を開始していればいいんですが、多くの方はそうではないのが一般的かなと思います。
そのような方のためにはじめにお伝えしたいのは、「まず、法令集を読む」ことです。
いきなり読んでも意味わからないよ〜と声が聞こえてきそうです。けどですね、、、だからと言って図解集や解説書を読んでしまうのもあまりおすすめできないのです。
そのクセってずっと続いてしまうんですね。わたしの知り合いの方でもいますが、法令集は読まずに建築確認MEMOに書いてあるか否かで建築法規を判断してしまっています。
それでもいいんじゃない?と思うかもしれません。確かに時間の効率性を考えると図解集をみるのも一つの手段であることは間違いないと思います。
ただしただし、建築基準法を覚えたことになりません。
法律の本質を理解
建築基準法文を覚える理由としては、法の本質的な部分を理解するためです。
建築士としては、法律の何条にどのような内容がどのような目的で書かれているかを知ることが大切であり、これを理解しないで受動的に知るだけでは、法律が制限しようとしている本来の意味を見失うことになります。
将来、プロになりたいのであれば、はじめに法律を読んで、それでも分からなければ図解集を見るようにする方が自分のためになります。
ではでは、今日の本題です。
はじめて建築基準法に触れる方は、法律のどこに何が書いてあるのか全く分からないと思います。それでいいと思います。少しづつ覚えていくことが大切ですからね。
そこで今回は、建築基準法の中で重要なポイントをいくつか紹介したいと思います。
※わたしが使用している法令集です。
ポイント①(建築物の定義)
建築物の定義は建築基準法の目的と同じくらい重要です。
そもそも建築物とは何かということについて理解しないといけません。
単独の門や塀は建築物ではないですが、建築物に附属する門や塀は建築物に含まれることなるなど、単に建築物といっても、一般常識的な見解だけでは理解できない部分もあるので注意する必要があります。
[/kanren]ポイント②(建築確認申請)
建築基準法第6条第1項の規定ですね。
すでに分かっている方もいるかもしれませんが、法第6条第1項の規定は建築確認申請が必要となる建築物について定義付けがされています。
特に第1項各号は必ず覚えておく必要がありますので、しっかりと勉強しましょうね!!
▶️参考記事一覧
https://blog-architect.me/category/building-standards-act/確認申請・中間検査・完了検査/
ポイント③(構造規定)
建築基準法第20条に規定されています。
第1項一号から四号の内容は必ず覚える必要があります。法律を読むと建築基準法第6条第1項各号とリンクしていることが分かると思います。
この20条は理解が難しく、構造設計屋さんに委託してしまいがちですが、四号建築物の小規模建築物については容易に設計することが可能ですので、四号規定をはじめに理解するようにしてみてください。
なお、第2項は構造上別棟の考え方についてです。基本的にはエキスパンションジョイントと覚えておけば大丈夫です。
ポイント④(耐火建築物等としなければならない建築物)
建築基準法第27条の規定です。
耐火建築物等としなければならない建築物について規定しています。法別表第1とリンクしていますので、この規定もとても重要です。特殊建築物の建築の際は必ずこの規定をチェックすることが大切ですので、必ず覚えるようにしましょう。
ポイント⑤(避難規定)
避難規定は建築基準法第35条の規定です。特殊建築物である場合は、必ず35条のチェックが必要です。
法第35条の規定により、排煙設備や非常用照明、直通階段といった制限を受けるかどうが決まりますので、特殊建築物や無窓建築物を設計する場合には、はじめに確認を行う規定です。
ポイント⑥(建築基準法上の道路)
建築基準法は『道路』が全てです。と言ってもいいくらいとってもとっても大切な規定です。都市計画区域内であれば道路に接していないと建築することができないですからね〜。そのくらい重要な規定です。
不動産業界や建築業界も同じだと思いますが、最もはじめに道路の規定を覚えることになるじゃないかなと思います。
その中でも、特に建築基準法第42条第1項及び2項は必須です。
ポイント⑦(用途制限)
建築基準法第48条の規定です。
都市計画法と関係する規定であり、そもそも論として市街化区域内であれば用途地域ごとに建築できる建築物が制限されているので、道路につづき建築基準法における基本中の基本として覚えるようにしましょう。
法別表第2とリンクしています。
本記事のまとめ
名称等 | 法令条項 | 備考 |
---|---|---|
建築物の定義 | 建築基準法第2条 | *1号規定を理解する |
建築確認申請 | 建築基準法第6条 | *第1項規定を理解する |
建築構造 | 建築基準法第20条 | *はじめに四号建築物を理解 |
耐火建築物・準耐火建築物等 | 建築基準法第27条 | *防火地域・準防火地域内の建築物の規定(法第61条)についても勉強する |
避難規定 | 建築基準法第35条 | *施行令第5章避難施設等(施行令第116条の2〜) |
建築基準法上の道路 | 建築基準法第42条 | *法第43条第1・2項(接道)に関してあわせて理解することが大切です。 |
用途地域 | 建築基準法第48条 | *法別表第2 |
これで以上となります。
新入社員の方がそれぞれの職場で即戦力となるよう祈っております。
わたしのブログではこの記事以外にも建築、都市計画、不動産に関して様々な観点から法律などに関する情報を発信していますので、よかったら活用してみてください。