【2026年版】建築確認申請が必要な工作物一覧|高さ・規模を整理

2026年7月28日更新:建築基準法第88条、現行の建築基準法施行令第138条および適用除外規定に基づき、工作物の種類・規模・対象区域を再整理しました。

こんにちは。Yamakenです。

塀、看板、煙突、擁壁などは、建築物ではなくても、一定の規模を超えると建築基準法上の「工作物」として建築確認申請が必要になります。この記事では、実務で確認することが多い工作物を一覧で整理します。

先に結論:高さだけで判断できる工作物と、用途・築造面積・用途地域まで確認する工作物があります。また、建築確認が不要でも、屋外広告物法、盛土規制法、都市計画法、条例などの手続が必要になる場合があります。


工作物の確認申請は法第88条と令第138条で確認

建築基準法第88条は、一定の工作物について、建築確認、完了検査、構造関係規定、用途地域の用途制限など、建築物に関する規定を準用しています。対象となる工作物は、建築基準法施行令第138条に定められています。

  • 法第88条第1項の工作物:煙突、広告塔、擁壁、観光用昇降機、遊戯施設など。令第138条第1項・第2項で指定
  • 法第88条第2項の工作物:製造・貯蔵施設、自動車車庫、サイロ、処理施設など。現行の令第138条第4項で指定

旧記事や古い解説では、製造・貯蔵施設などを「令第138条第3項工作物」と記載している場合があります。しかし、現行令の第3項はシックハウス対策に関する準用基準であり、製造・貯蔵施設等の指定は第4項です。

高さで確認する工作物一覧(令第138条第1項)

工作物確認申請の対象となる規模主な補足
煙突高さ6m超支枠・支線を含む。ストーブの煙突を除く
RC造の柱、鉄柱、木柱等高さ15m超旗ざおを除く
広告塔・広告板・装飾塔・記念塔等高さ4m超建築物の屋上・外壁に設置するものも対象になり得る
高架水槽・サイロ・物見塔等高さ8m超用途によっては第4項の検討も必要
擁壁高さ2m超盛土規制法等の許可対象となる擁壁には、確認手続の適用除外あり
建築基準法施行令第138条第1項

「超える」と「以上」を間違えない

例えば広告塔は「高さ4mを超えるもの」が対象です。したがって、法令上の数値だけを比較すれば、高さ4.00mは「4m超」ではありません。ただし、高さの算定位置、基礎や支持部分を含めるか、既存建築物上に設ける場合の測り方などは、工作物の構成を踏まえて確認します。

擁壁は盛土規制法等との関係も確認

高さ2mを超える擁壁は令第138条第1項第5号の対象です。一方、盛土規制法、都市計画法、特定都市河川浸水被害対策法または津波防災地域づくり法による所定の許可を受けなければならない擁壁には、法第88条第4項により、建築確認・完了検査に関する規定が適用されません。これは「構造安全の確認が不要」という意味ではなく、各許可制度で審査されるための手続調整です。

観光用昇降機・遊戯施設(令第138条第2項)

工作物対象
観光用の乗用エレベーター・エスカレーター一般交通の用に供するものを除く
高架の遊戯施設ウォーターシュート、コースター等
原動機を使用する回転遊戯施設メリーゴーラウンド、観覧車、オクトパス、飛行塔等
建築基準法施行令第138条第2項

建築物に設置する一般的なエレベーターや小荷物専用昇降機とは別の整理です。令第138条第2項第1号は、独立した工作物としての「観光用」の乗用エレベーター・エスカレーターを対象としています。建築物に設ける昇降機は、建築設備として法第6条等に基づいて確認します。

用途・築造面積・地域で判断する工作物(令第138条第4項)

第4項の工作物は、単純な高さ一覧では判断できません。用途、築造面積、用途地域、建築物への附属の有無などを組み合わせて確認します。

区分主な工作物・確認事項
製造・貯蔵関係別表第二に掲げる一定の危険性・環境負荷を伴う用途。用途地域ごとの制限を確認
自動車車庫用途地域、附属・非附属、築造面積等で基準が異なる。50㎡超・300㎡超など複数の基準あり
サイロ等高さ8m超で、飼料・肥料・セメント等を貯蔵するもの。対象となる住居系用途地域を確認
観光用昇降機・遊戯施設第2項の工作物が一定の住居系用途地域内にある場合
汚物処理場・ごみ焼却場等都市計画区域・準都市計画区域と、施設の種類を確認
特定用途制限地域内の工作物条例で用途制限が定められたもの
建築基準法施行令第138条第4項の概要

自動車車庫などの判定は条件が細かいため、「工作物だから一律に確認申請が必要」「用途地域内ならすべて必要」とは整理できません。計画地の用途地域、築造面積、同一敷地内の建築物、附属車庫部分の面積を揃えて条文に当てはめます。

建築基準法の適用除外となる主な工作物

令第138条第1項の括弧書きと国土交通大臣の指定により、他法令で同等の規制を受ける一定の工作物は対象から除かれます。代表例は次のとおりです。

  • 一定の架空電線路用・保安通信設備用の柱
  • 電気事業法上の電気工作物に該当する一定の太陽電池発電設備
  • 船舶安全法の適用を受けるもの、または電気事業法上の電気工作物に該当する一定の風力発電設備

設備の名称だけで自動的に除外されるわけではありません。太陽光発電設備であっても、電気工作物への該当や、架台下を屋内的用途に利用することで建築物に該当しないかを個別に確認します。

確認申請が不要でも確認する手続

  • 広告塔・広告板:屋外広告物法、都道府県・市町村の屋外広告物条例
  • 擁壁・盛土:盛土規制法、都市計画法、自治体条例
  • 道路沿いの工作物:道路法、道路占用・道路使用許可
  • 太陽光・風力発電設備:電気事業法、再エネ関係法令、条例
  • 高い工作物:航空法、景観条例等

建築確認の要否と、工作物を適法に設置できるかは別問題です。計画初期に、工作物の種類・高さ・築造面積・設置場所・用途・関連許可を一枚に整理すると確認漏れを防げます。

参考法令・資料

都市と建築基準法(YamakenBlog)では、建築・都市計画に関する実務上の判断を、根拠条文とともに整理しています。


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ABOUT US
cat_yamaken
YamaKen都市と建築が好きな人
【資格】一級建築士、建築主事、宅建士、省エネ適合性判定員など /【実績・現在】元役人:土木行政・建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 都市づくりコンサル、建築設計、執筆/