いわゆる2項道路とは?(セットバックの方法などを解説)

この記事について
○建築基準法における道路の規定についての解説です。
○建築する敷地が幅員4m未満の道路に接している場合は、建築基準法上の道路に接していない(接道が取れていない)可能性があります。
再建築するには、原則として、敷地は建築基準法上の道路に接する必要があります。

こんにちは。建築士のやまけんです!!




はじめに

建築基準法上の道路については、不動産会社などが土地の売買を行う際に買主に対して、重要事項説明をしなければならない規定となっております。

よく「2項道路」又は「みなし道路」と呼んだりします。

一般的に建築士は、建築物を設計する最初の段階で敷地を調査することが多いため『建築基準法上の道路』の取り扱いや調査方法などについては慣れていますが、そうではない方は何を言っているのか不明だと思います。

それが普通です。

今回は、そうした不動産関係者の初心者やこれから建築を考えている方向けに、「2項道路」を分かりやすくまとめてみました。

※道路は2項道路たけではありません。2項道路以外も記事にしましたので、こちらもチェックしてみてください。

建築基準法第42条第2項道路の調査について

ではここから42条第2項道路の調査方法などについて説明していきます。

誰が指定するのか

特定行政庁が指定します。(規模の大きい市又は都道府県と覚えておけばOK)
※厳密に知りたい方は、建築基準法第2条第35号を確認するか次の記事をご覧ください。

「特定行政庁」とは?(建築主事との違い)

2019-08-22

どういった基準で2項道路に指定するのか

法では、「この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、〜(略)〜とみなす」

この章の規定が適用されるに至つた際というのがポイントです。

具体的にどういうことかというと、

”この章”とは、建築基準法第3章の「都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途」のことで、

”際”とは、法の施行日である昭和25年11月23日、法施行日以降に都市計画区域に編入された敷地の場合は編入日が基準時となります。

次に”現に建築物が立ち並んでいる”という法律の文章ですが、

国土交通省が公表している「建築基準法道路関係規定運用指針」によると、

基準時に建築物が2棟以上立ち並んでいる道で、一般交通に供されているものでなければならないとされています。

しかしながら、目安となる指針はあるものの、2項道路に指定するかどうかの最終判断は特定行政庁になります。

なお、建築基準法第42条第2項道路であるかどうかは、市町村道、私道、農道等の種別は関係ありません。法では「道」であれば良いのです。

ただし、一般交通に供されている必要があります。

特定行政庁が幅員1.8m未満の道を指定する場合は、建築基準法第42条第6項の規定により、建築審査会の同意が必要となるため、指定には大きなハードルがあり、時間がかかることが想定されます。(私はこういった事案を経験したことがありません)

どうやって2項道路を調査するの?

①調査対象の敷地が接している道路の幅員を確認し、4m未満かどうかを確認します(一部でも4m未満があれば必ず確認する)

なお、4m以上の場合は、建築基準法第42条第1項第一号道路(道路法の道路)又は同項第二号(開発行為、土地区画整理法による道路)の可能性が高いので、市町村の道路を管理する部署(道路管理課など)に確認した上で建築指導や審査を担当する部署に確認しましょう。

※この時点で、法務局から公図を入手(手数料がかかります)しておきましょう。建築指導や審査を担当する部署では、公図がないと基本的に会話になりません。
②各市町村のホームページで、2項道路が公表されていないか確認しましょう。

(大概はわかりますが、わからない場合は窓口に行くしかありません)

なお、公表されていない場合は、まずは(準)都市計画区域の”中か”外”かどうかを都市計画課において確認(大概は市町村ホームページでわかる)し、(準)都市計画区域内であることを確認する。
※(準)都市計画区域外の場合は、接道義務はありません。

③道路を管理する部署で市町村道路(公道)なのか、そうでないのかを確認します。

公道かそうでないかを確認した上で建築指導や審査を担当する部署に確認します。

④未判定道路(判断していない道)の場合は、建築指導や審査を担当する部署に相談してみましょう。

→特定行政庁が指定するかどうか判断します。

2項道路の場合、具体的にどうすればよいの?

セットバックの方法は?→道路中心線から2m

道路中心線から2mセットバックした線が道路境界線(敷地境界線)となり、セットバックする前の道路境界線からセットバックした線までの間は門や塀などの建築物や擁壁は築造してはいけません。

注)道路の間に水路がある場合
よくある事例としては、公図上で、敷地と道路の間に水路が入っている場合があり、水路も2項道路に入っている場合や、水路の幅によって、セットバックの距離が変わってくる場合があります。

水路幅によっては、接道とみなせないため、無接道敷地となる可能もあるので、特定行政庁に確認するようにした方がいいです。

崖や大きな水路がある場合は?→反対側の道路境界線から4m

建築する敷地の道路を挟んだ反対側が、崖や川、水路、線路などの場合は、建築する敷地側に一方後退(反対側の境界線から4mの線が道路境界線)となります。

注)特定行政庁によって、崖の高さ、水路の幅によって、一方後退となるかどうかは取扱が異なりますので注意ください。

今すぐセットバックしなければならないの?

再建築する際に、セットバック義務が適用されるので、指定されているからといってすぐにセットバックする必要はありません。

しかしながら、建築士として仕事をしていると、過去にセットバックするといって建築確認が下りているのに、セットバックしていない住宅がたまにあります。

完了検査を受けていなかったりと・・・昔の方は、結構曖昧だったのでしょうか( ´ ▽ ` )現在は、完了検査を受けないとローンの審査が下りなかったりするので・・・

注)建築士に対して、「セットバックを逃れる方法はないか?」という質問をごくたまに受けることがありますが、絶対にやめましょう。

注)2項道路のとき、容積率は変わり、住居系用途地域の場合、例えば200%の容積率であれば、4m*0.4→160%となりますのでご注意を!

敷地が建築基準法上の道路ではなかった場合はどうすればよいの?

原則としては、再建築できません。
ですので、建築基準法上の道路をつくるしかありません。なお、一定のリフォームであれば長く使用続けることは可能です。

ではその方法ですが、次のものです。

  1. 都市計画法による開発行為による道路を築造する
  2. 道路位置指定(建築基準法第42条第1項第五号道路)を受ける
  3. 建築基準法第43条における例外許可等(過去の記事を参考にしてみてください)
  4. リフォーム等により建替は行わずに建築物を使用する

本記事のまとめ

○4m未満の場合は、2項道路か3項道路に指定される(されている)可能性があります。

○しかしながら、全てが指定されるわけではないので、建築指導や審査を担当する部署にしっかりと確認しましょう。接道していない場合でも例外許可等という方法があります。

○2項道路に指定される(されている)場合は、再建築する際にセットバックを行なって完了検査を受けるようにしましょう。

それでは今回は以上となります。参考になれば幸いです。