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【廊下の幅】建築基準法の廊下幅の基準をわかりやすく解説

この記事では、建築物の建築において「廊下」をつくる・設計する際の廊下幅の基準を解説しています。
また、どのような建物用途・規模の建築物が廊下の幅のルールが適用されるのか分かりやすく解説しています。

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です^ ^
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廊下幅は、両側居室と片側居室で異なる

建築物法における廊下の幅は、廊下を挟んで両側に居室(両側居室)、廊下を挟んで片側にのみ居室(片側居室)がある場合で異なります。

次の表をご覧ください。

廊下の用途両側に居室がある廊下における場合(単位 m)その他の廊下における場合(単位 m)
小学校、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校における児童用又は生徒用のもの2.31.8
病院における患者用のもの、共同住宅の住戸若しくは住室の床面積の合計が100㎡を超える階における共用のもの又は3室以下の専用のものを除き居室の床面積の合計が200㎡(地階にあつては、100㎡)を超える階におけるもの1.61.2
建築基準法施行第119条

建築基準法施行令第119条の表では、最大で2.3m以上、最小で1.2m以上と決まっています。

これを木造の910㎜のグリッドに合わせてみると、最大で2.3m以上の場合には、3スパン(2.73m-0.12m(両側壁厚)≒2.60)、最小1.2m以上の場合には、1.5スパン(1.365m-0.12m(両側壁厚)≒1.24m)が必要となります。

両側居室で最大2.3m以上が必要となる室用途は、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校での児童用・生徒用が対象となります。

ポイントは、児童・生徒が使う室であることです。よって、職員室などの生徒が利用しない室の場合には対象外となります。

両側居室

次に、下段部分の両側居室で1.6m以上必要とされる室ですが、括ると3つにまとめられます。

  • 病院の患者用のもの
  • 共同住宅等の床面積(住戸・住室部分)合計が100㎡超の階で共用のもの
  • 居室の床面積の合計が200㎡超の階のもの
    *3室以下の専用を除く。地階では100㎡超に読み替え

まず、一つ目の病院の患者用の廊下です

病院(診療所は対象外)において患者が使用する廊下については全てが対象となります。
(*現時点で患者が使用する廊下ではなくても、将来、利用する可能性がある場合には適用させるのが無難)

二つ目の共同住宅の共用廊下ですが、居住スペース部分(住戸)の床面積の合計が100㎡超が対象となります。あくまでも住室が対象となりますので注意が必要です。

三つ目の居室ですが、床面積の合計が200㎡超の階の廊下が対象となります。
ただし、200㎡超であっても廊下を利用するのが3室以下で専用(その他の通行等がない)であれば適用させなくてもよいとされています。

片側居室

>>>補足記事

一戸建て住宅や事務所の廊下幅についてはこちらの記事をご覧ください。

廊下と階段の違い

お伝えしておくこととしては「廊下」と「階段」は建築基準法上は別ものです。
(当たり前やろ!!と怒らないで下さいね。当然なのですが、どこからどこまでが廊下で、どこからが階段なのかは重要なポイントということです。)

また、幅の計測の仕方ですが、階段については手すり部分を幅員に含めることができますが、廊下は手すりなどの壁から突き出ているものを幅員に含めることはできません

よく高齢者福祉施設やバリアフリーに対応した施設の場合には、廊下に手すりを設けることが多いですが、その手すりを建築基準法上の廊下の幅に含めることができないため、手すりの端から最短距離部分で計測します。

一方で、階段は一定の基準がありますが、手すり部分を幅員に含めることができます。
>>参考記事:建築基準法における「直通階段」を解説

と、こんな感じとなっています。
それでは『廊下の幅』に関する規定について、対象となる建築物から解説します。

廊下の幅の規定に該当する建築物とは

ここでは、そもそも建築基準法施行令第119条が対象となる建築物を確認しないといけないのです。

ちょっと分かり難いのですが、建築基準法では法令が書かれていても、”章・節”を適用させる建築物の規模・用途が法令のはじめあたりに記述されています。
例えば、今回の施行令第119条ですが、対象となる建築物については建築基準法施行令第117条に規定されています。

これ、建築士のプロでも間違ってしまうことがあるので本当に注意です。
間違えても安全側の設計になるのでなんら問題はないのですが・・・。小規模な建築物であればあるほどコストがかかってしまいます。

ではでは話を戻します。
繰り返しですが、施行令第119条に廊下の幅が規定されているんですが、この令第119条は、建築基準法において”第5章第2節”というところに分類されています。

そして、この2節が対象となる建築物は、①法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までの用途に供する特殊建築物②3階以上の建築物③令第116条第1項第一号に適合しない居室を有する建築物④延べ面積が1,000㎡を超える建築物 となっています。

つまり、全ての建築物に対して廊下の幅の基準が適用されるわけではなく、共同住宅や病院、商業施設、3階以上の建築物などといった一定規模の建築物が制限の対象となります。

 廊下の幅の基準が適用される建築物の規模等

法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までの用途に供する特殊建築物

・3階以上の建築物

令第116条第1項第一号に適合しない居室を有する階(採光無窓を有する建築物)

・延べ面積が1,000㎡を超える建築物

ただし、例外がありまして、それぞれの室が耐火構造で区画されているとか、ちょっとマニアックな基準になりますが、「H28国交告695号」に適合する渡り廊下で繋いでいる場合は、別々のものとみなすことが可能となります。

つまり、別々に区画することで、片方にはこの第2節を対象としない建築物にすることが可能となります。・・・下記の法令を参照ください。

令第119条に「廊下の用途」って欄がありますが、そもそも、この第2節の対象建築物にならなければ、令第119条は法チェックする必要がないということです。

では、その第2節の対象建築物を確認してください。令第117条に規定されています。

[建築基準法施行令第117条]
 この節の規定は、法別表第1(い)欄(1)項から(4)項までに掲げる用途に供する特殊建築物階数が3以上である建築物前条第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に限り適用する。

 次に掲げる建築物の部分は、この節の規定の適用については、それぞれ別の建築物とみなす
一 建築物が開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されている場合における当該区画された部分
二 建築物の2以上の部分の構造が通常の火災時において相互に火熱又は煙若しくはガスによる防火上有害な影響を及ぼさないものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものである場合における当該部分

建築基準法施行令第117条

設計上の注意点:廊下の有効幅など

廊下の有効幅

廊下の幅ですが、両側居室1.6m(2.3m)、両側居室以外1.2m(1.8m)
※( )書きは学校の用途に供するものです。

廊下を利用して出入りする居室が両側にあるか片側だけにあるかで幅員の異なるので、出入り口の設計には注意して下さい。

さらに、注意が必要なのが有効幅の捉え方です。

廊下といっても、廊下に突き出ているものがありますよね?

例えば、手すり、それから柱など、、、これらは有効幅に含めることはできません

ですので、設計の際には、この有効幅に特に注意する必要があります。

それから、自治体が独自に制限を追加している「条例」についても注意が必要です。

用途や規模によって廊下幅を規定を規定している自治体がありますので、設計する際には、事前に自治体の条例をチェックするようにしましょう!!

まとめ

繰り返しになりますが、階段と廊下では規定が異なります、廊下の幅は、構造躯体の設計に左右される可能性もありますので、特に注意しましょう!!

最後に参考となる書籍についてです。
廊下幅の規定は、避難規定といって建築物の火災が発生した場合に有効に避難できるよう設けている基準となります。

その取り扱いについては法令で明確に規定されているもののグレーな部分の扱いは各特定行政庁が判断しています。
こちらの書籍ではその扱いを知ることが出来るため設計の際の手助けになります。まだ持っていない設計者の方は購入することを薦めします。

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ということで、今回はここまでです。

最後まで読んで頂きありがとうございました٩( ‘ω’ )و

>>>最後に補足記事です。幅員何mからが廊下と居室の境界線なのか考察してみました。