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2021年一級建築士製図試験の課題が発表!【集合住宅】独学者向け記事

先日、一級建築士試験を実施している(公財)建築技術教育普及センターから2021年一級建築士製図試験の課題が発表されました!

課題は『集合住宅

集合住宅が課題名に入っているのは、平成27年試験の『市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である。)』以来です。

とはいえ、昨年度も集合住宅に類似する課題(高齢者介護施設)だったので、近年の傾向として住宅系用途としているのかな〜って思っています。

正直なところ、共同住宅は同じような部屋を複数描くので飽きちゃうんで・・・試験自体に面白みが感じないんですよね(センターさんすみません・・・ww)

受験される方にとっては若干苦痛感があるかもしれないですが、凡ミスさえしなければ比較的合格を目指しやすい課題じゃないかなと思います^ ^

この記事では、わたしと同じく独学で合格を目指そうとする方を応援するために設計時の留意点などを書いています。




要求図書

  • 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
  • 各階平面図(縮尺1/200)
    ※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。
  • 断面図(縮尺1/200)
  • 面積表
  • 計画の要点等

 
(注)建築基準法令等に適合した建築物の計画(採光、建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)とする。

*出典:公財)建築技術教育普及センター

各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定すると書かれています。

つまり、何階建ての設計となるかは試験当日にならないと分からないパターンなので、複数階のパターンの過去問題を解いて慣れるのが最も効率が良い方法だと思われるところです。

採光、建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設と書かれているので、この内容については注意する必要がありますので、簡単なポイントのみ記載しています。

採光

採光については、住宅部分に関しては、『居室の床面積に対して、住宅にあっては1/7以上』と規定されています。

下層階は隣地境界線に近いと採光を確保できないケースがあるので、配置計画と居室の配置に注意してみてください。

試験問題では、住宅以外の用途も指定される可能性がありますが、住宅と同様の窓の面積を確保していれば全く問題ありません。

▷▷採光に関する記事:居室の採光計算とは?[採光規定の基本を知る]

建蔽率・容積率

建蔽率と容積率が分からないって方はいないと思いますが、試験問題では容積率上限いっぱいの計画となることが考えられますので、共同住宅における容積率の考え方については確実に覚えておくのが良いです。

共同住宅については、容積率算定用の床面積から『EVシャフト、共用廊下、共用階段』は除かれます。また、自動車車庫等とは容積率の算定から一定面積が除かれます。

▷▷「備蓄倉庫(防災倉庫)」の容積率緩和は使いやすい?(一戸建て住宅も可能か)
▷▷容積率の緩和(自動車・自転車車庫)の解説
▷▷容積率算定から除外可能な宅配ボックスとは?(技術的助言を踏まえて解説)

高さ制限

高さ制限については、用途地域ごとに異なりますが、試験問題では通常の設計範囲を逸脱しない計画(試験に合格するための普通の計画)であればさほど気にする制限ではないです。

市販のテキストで勉強しながら覚えていけばOKです。

延焼の恐れのある部分

耐火建築物で設計することになりますので、延焼の恐れのある部分(1階部分は隣地境界線から3m、2階以上の部分は5m、ただし道路の場合には道路中心線からの距離)の開口部は、「防火設備」とする必要があります。

図面にも防火設備を記載します。

▷▷【延焼の恐れのある部分(延焼ライン)とは?】建築計画で注意するポイント

防火区画・避難施設

防火区画については、規模的に竪穴区画(階段やEV、シャフトなど)を耐火構造の壁や特定防火設備(防火設備の場合には遮煙機能付)で区画する必要があります。

避難施設として最も注意しなければならないのが2以上の直通階段や避難距離となります。
2方向避難がOUTだと、重大な欠点になりますので、階段の配置については避難上問題がないようにする必要があります。

▷▷【直通階段】建築基準法における「直通階段」の規定(対象となる建築物と歩行距離)を解説
▷▷「避難上有効なバルコニー」とは?[2以上の直通階段規定のまとめ]

留意事項

  • 敷地の周辺環境に配慮して計画する。
  • バリアフリー、省エネルギー、セキュリティ等に配慮して計画する。
  • 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
  • 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
  • 構造種別に応じた架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
  • 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。

*出典:公財)建築技術教育普及センター

留意事項については、毎年同じ内容のことが書かれているので、ちゃんと勉強していれば注意深くする必要はないと思います。

合格するための近道

独学で合格しているわたしのおすすめ方法としては、市販のテキストを購入して勉強する方法です。ただし、法律に自信がない場合には、法律と睨めっこしながら勉強することになるので、効率が悪いと思います。

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▷▷参考記事:試験勉強の息抜きに読む本
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。