この記事では、❶市街化区域外とは何か?また、❷市街化区域外での建築制限を分かりやすく解説を行っています。玄人向けではないので普段から業務に携わっている方には物足りないかもですがご了承ください。
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先日、「市街化区域外とは何?」という相談を受けてまして、実は、当ブブログではそもそも論として市街化区域外という概念をこのブログで解説を行っていませんでしたので、頂いたお声をもとに回答する形でこの記事を作成しています。
市街化区域外とは?
こちらは水戸やひたちなか市を中心とする水戸・勝田都市計画区域のうち水戸市域を示したものですが、この都市計画区域は線引き都市計画区域のため市街化区域と市街化調整区域が指定されています。色で着色されている地域が市街化区域となります。
市街化区域外とは、市街化調整区域、都市計画区域外、及び非線引き都市計画区域をいいます。
とはいえですが、通常は、市街化区域が指定される区域のは線引きといって、市街化区域と市街化調整区域を定める区域区分を指定している都市で市街化区域外を指す意味で使われる言葉かなと思いますので、市街化調整区域又は線引き都市計画区域の外側を指すものと思います。
というのも、区域区分を定めない非線引き都市計画区域では市街化区域が存在しないためです。
線引きと非線引きの違いは、区域区分(市街化区域・市街化調整区域)を定めているか定めていないかですが、いや、待てよとそもそも線引きって何?と疑問に思った方や理解を深めたい方はこちらの記事をご覧ください。
概念図を作成してみました。
下図の黄色の部分以外が市街化区域外となります。
ただし、B都市計画区域は非線引き都市計画区域のため市街化区域が存在しないことに注意が必要です。B都市計画区域もA都市計画区域から見れば一応は市街化区域外ですが、厳密には都市計画区域内に指定される都市計画のツールが異なります。
改めて市街化区域外を簡単に説明すると、線引き都市計画区域であることを前提として、市街化調整区域と都市計画区域外です。
では、その市街化区域について、市街化区域とはどういった地域で定められるのかをまとめている記事がありますので、市街化区域の意味をもっと理解したい方はぜひご覧ください。
市街化区域外の建築制限は?
市街化区域外の建築制限は市街化調整区域と都市計画区域外での建築制限となります。
通常、都市計画区域外については、都道府県知事が条例により別途建築制限を定めたり、土砂法に基づく土砂災害特別警戒区域、その他の個別法に基づく建築制限(地滑り、急傾斜地、自然公園、保安林など)に該当しない限りは建築基準法に関連する建築制限はないです。
>>>不動産取引では重要事項説明において建築制限に関するルールを取引相手に説明するルールとなっています。こちらの記事に重説一覧を掲載しております。
市街化区域外の建築で最も注意しなくてはいけないのが『市街化調整区域』となります。
市街化調整区域は市街化を抑制する区域として都市計画で指定されます。
このため、原則として用途地域は指定されないです。一部、逆線引きの際に例外的な考え方がありますが、基本は用途地域は指定なしです。
これは、市街地の無秩序な拡大や田畑や山林の保護、水源涵養機能を持たせるなど、あらゆる人災・災害から都市全体を守る役割を持っていますので、基本的には一部の建築物(農林漁業用の建築、公益上必要な建築物など)を除いて建築することはできません。
市街化調整区域内での建築は、専門用語では開発行為といい、一部を除いて市街化調整区域内での建築は都道府県知事(政令指定都市及び中核市はその長)開発許可を受けないといけないとされています。
なお、開発行為に関してはこちらの記事を読んで頂ければ理解が深まるはずです。
市街化調整区域内では許可不要の建築物(都市計画法第29条第1項第2号等)と一定の条件に該当する建築物であれば都道府県知事が開発許可しても良いよ(都市計画法第34条:立地基準)というルールとなっております。
ですので、例えば、農業(農地を一定規模耕作)をやらないのに市街化調整区域では住宅を建築することはできないです。
ちなみに、大手ネット銀行ですと市街化調整区域では住宅ローン審査が通らない(ローン対象外)です。*市街化調整区域内については、買い需要が非常に少ない地域のため。
まとめ
まとめると、市街化区域外とは、市街化調整区域、線引き都市計画区域外、非線引き都市計画区域となります。
また、市街化区域外の建築制限については、市街化調整区域内では許可不要の一部の建築物を除いて開発許可が必要となります。。
都市計画区域外については一般的には建築基準法上に基づく制限はありませんが自治体条例や個別法で制限を行っている可能性もあります。
補足としまして、市街化区域が指定されない非線引き都市計画区域内については一般的に用途地域が指定されるエリアとそうではないエリア(白地)に分けられますが、白地については建築制限が大幅に緩いです。なお、香川県のように白地地域に別途建築制限を行う場合もあります。
ということで以上となります。
こちらの記事が市街化区域外を理解する記事となっていれば幸いです。