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用途変更確認申請の条文とは?何条に200㎡のルールが書かれているのか分かりやすく解説。

用途変更確認申請、法第6条第1項に記載ないじゃん!って思ったことないですか?そのような悩みを解説するため、こちらの記事では、用途変更の確認申請が必要な理由を条文に照らし合わせて解説を行っています。

こんちは。YamakenBlogです。

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用途変更とは?

用途変更とは、建物の使い方(事務所や店舗、飲食店、住宅など)を変更することをいいます。

原則として、建物用途を変更する場合、特殊建築物(建築基準法別表第1(い)蘭)に該当し、その用途部分の床面積が200㎡を超える場合には、建築確認申請が必要となります。

例えば、床面積300㎡の事務所を特殊建築物である物販店舗に変更する場合には、用途変更確認申請が必要となります。

一方で、床面積が200㎡以下の場合や、床面積が200㎡を超えていても特殊建築物に該当しない場合には、用途変更確認申請は不要となります。
*以前は、床面積100㎡超でしたが近年の改正により200㎡となりました。

用途変更が必要な理由は、建物用途ごとに適用される建築基準法のルールが異なるためです。適用されるルールが異なるため、用途を変更した場合に、その用途に適用される法令に適合しているかどうかをチェックし、最低限の利用者の安全性などを確保することを目的としています。

なお、『原則』と書いてあるのは特殊建築物であっても、類似の用途間といって、例えばホテル→旅館、博物館→美術館のように似たような用途の場合には、建築物に適用される法規制が同じであることから、法律でも確認申請は不要だよ〜というようにルールを定めています。

詳細記事はこちらです▼▼▼

補足:都市計画法の用途変更とは異なる

今回、解説している用途変更は建築基準法に基づくもので、都市計画法の用途変更とは異なる点に注意が必要です。

都市計画法の用途変更も同様に、用途変更とは、例えば一戸建ての住宅を飲食店にするなどの行為をいいますが、床面積は関係なく、都市計画法第43条のルールにより、原則として、市街化調整区域内では用途変更は認められません。

なお、例外的に許可の範囲内で用途変更が可能と可能となるケースもあります。

用途変更確認申請の条文は法第87条第1項

建築確認申請は建築基準法第6条第1項に規定されていますが、この法第6条第1項には、『用途変更』は記載されていないです。

このため、初見ではどこに用途変更確認申請が書いてあるの?と疑問に持つと思います。

法第6条の次くらいに規定すれば分かりやすいのかもですが、用途変更については、準用規定といって、他のルールを適用させる条文などを定めている部分に書かれている関係上、雑則(第6章)に分類されるため、最後の罰則の前に書かれている形となっています。

ですので、用途変更確認申請の条文を確認するためには、建築基準法第6条第1項ではなく、雑則が書かれている最後の方、建築基準法では建築基準法第87条第1項を確認する必要があります。

では、この法第87条第1項ですが、どのように書かれているかと言いますと、次のようになっています。

(用途の変更に対するこの法律の準用)
第87条 建築物の用途を変更して第6条第1項第一号の特殊建築物のいずれかとする場合(当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く。)においては、同条(第3項、第5項及び第6項を除く。)、第6条の二(第3項を除く。)、第6条の四(第1項第一号及び第二号の建築物に係る部分に限る。)、第7条第1項並びに第18条第1項から第3項まで及び第14項から第16項までの規定を準用する。この場合において、第7条第1項中「建築主事の検査を申請しなければならない」とあるのは、「建築主事に届け出なければならない」と読み替えるものとする。

建築基準法第87条第1項

つまり、用途変更を行い建築基準法第6条第1項第一号(特殊建築物で床面積200㎡超)にする場合には、同法第6条を適用するということ。ですので、用途変更の一部は建築確認申請が必要となります。

>>>法第6条第1項の条文はこちらの記事をご覧ください。申請者は建築主となります。


では、この法第87条第1項をまとめると次のようになります。

なお、用途変更の場合には中間検査や完了検査はなく、建築主事に工事完了届を提出するのみとなります(計画通知の場合には、法第18条第16項の工事完了通知となる。)。

適用される条文概要備考
法第6条建築確認申請
(建築主事)
【適用除外】
・第3項、第5項、第6項
法第6条の2建築確認申請
(指定確認検査機関)
【適用除外】
・第3項
法第6条の4確認の特例【限定適用】
・一号及び二号:認定型式材
法第7条完了検査申請【限定適用】
・第1項:完了検査申請
法第18条計画通知【限定適用】
・第1〜3項、第14〜16項
建築基準法第87条第1項の準用規定

以上から、用途変更確認申請のうち、建築基準法第6条第1項第一号建築物に該当する建築物については、建築基準法第6条第1項が適用されるため、申請が必要となります。

なお、審査期間については、法第6条第4項が適用されるため35日(延長通知可)となります。

【建築士資格は不要】
それから、法第6条第3項が適用除外とされているため、用途変更確認申請自体は建築士の資格を有していなくても用途変更確認申請を行うことは可能です。例えば、自己所有物件の用途を変更する場合の用途変更申請は建築士の資格を持っていなくても可能です。
(注)ただし、難解な建築基準法に基づく法適合状況を調査したり改修等が必要となるため、建築士依頼しないと手間も時間もかかります。

遡って適用される条文

その他の既存不適格建築物に関しては、遡って適用される条文が建築基準法第87条第2・3・4項に規定されています。

こちらの遡及適用が用途変更を計画する場合に最も悩ませるポイントではありますが、この記事で解説すると、文章が長くなってしまい、理解するのが大変ですので、また、次回以降の記事にしたいと思います(作成したらアップしますが、『用途変更 遡及適用 条文』で行政さんのサイトを閲覧可能です)。

とはいえですが、用途変更は原則として遡及されると覚える方が良いです

もちろん緩和規定により、不遡及部分もあります。

ですが、建築基準法第8条第1項の規定により、『建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。とされていることを踏まえると、建築主は用途変更の計画を立てることが求められるのが実情かなと思います。

注意!!用途変更確認申請が不要な規模での用途変更

近年の法改正により用途変更が必要な規模が200㎡超とされたことで、建築確認申請不要=建築基準法への適用不要 と考えている方も一定数いらっしゃるようです。

しかしながら、用途変更確認申請が不要だから改めて建築基準法に適用させる必要はないとする考えは誤りとなります。

建築基準法における用途変更は原則として遡及(遡って適用)で、そのうち、建築基準法第87条第2〜4項による準用規定により、一部が適用されないと覚えた方が建築物を利用する方々の安全性を担保することができます。

特に、シェアハウスなどの寄宿舎は、近年の既存ストック活用促進の観点から戸建て住宅を転用するケースが多く、用途変更確認申請が不要なケースが多いですが、自治体の条例等により制限が強化されていることが大半のため注意が必要です。

まとめ

今回の記事で解説した内容のうち重要なものをまとめますと、次のとおりとなります。

・用途変更確認申請の条文は建築基準法第87条第1項に規定され、この条文により建築基準法第6条第1項(建築確認申請)が準用されることで、確認申請が必要となる。
 (注)法第6条第1項自体には用途変更は記載されていない。
・確認申請が必要な用途規模は特殊建築物で、床面積が200㎡超となります。なお、用途が類似している場合には確認申請が不要となります。

その他、用途変更に関する記事はこちらの記事も参考になるはずです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など