建築基準法の「工場」に該当する意外な用途(住居系用途地域で建築可能な弁当屋・宅配サービス店舗の解説)

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です^ ^
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この記事では、建築物の用途の一つである仕出屋・弁当屋ついて、建築基準法上、どのような用途に該当しどの用途地域で建築することが可能なのか解説しています。




仕出屋・弁当屋は建築基準法上の工場に該当

はじめに「仕出屋(惣菜屋)・弁当屋・宅配店舗」は、建築基準法上の「工場」に該当します。

これが原則の考え方です。

そのため、こうした仕出屋や弁当屋は住居系用途地域(第一種低層、第二種低層、第一種中高層、第二種中高層、一種住居、二種住居、準住居)に建築することが困難とされています。

ということは住宅街に建築することができないの?!と疑問に思う方もいると思いますが、小規模な店舗であれば住宅街でも建築することができますので後ほど解説します。

そもそも「工場」とは、”通例職工を使用し製造若しくは加工又は仕上、仕分、分装、荷造等の作業をある期間継続してなすことを目的とする一定の場所をいう”と考え方が示されています。
*出典:昭和14年6月29日(内務省都市計画課長→広島県警察部長)

そのため、規模が大きい仕出屋や弁当屋(配達も行う業態)のように、食品を製造・加工した上で包装して専ら相当量の製品を一定のところの納品する場合には「工場」に該当するとする考え方が日本建築行政会議(*出典:2017年版建築確認のための基準総則集団規定の適用事例 編集:日本建築行政会議)において示されています。

イメージとしては、スーパーに惣菜や弁当を卸している食品製造業でしょうかね。
通常、一般的にイメージできる街の仕出屋(惣菜屋)・弁当屋さんとは異なると思っていただいていいと思います。

とはいえ、原則としては工場となります。

建築基準法ではなく、日本建築行政会議で示されている理由は建築基準法の用途に仕出屋や弁当屋という用語が規定されていないため、取扱いとして行政庁の会議体で考え方が示されている。

また、幼稚園や保育所、小中学校に給食を配達している「給食センター」は工場に該当することとなるため、ごく小規模の床面積(50㎡以内)であれば一部の住居系用途地域で建築することが可能ですが、規模が大きい場合には、準工業、工業、工業専用地域のみでしか建築することはできません。

給食センターですと多くの食料品の製造・加工を行うため規模の大きいのが一般的なので工業系用途地域での建築しかできません。

ちなみにですが、惣菜や弁当を販売するスーパーも食品製造を行う作業場(調理スペース+原動機使用)があるのであれば工場に該当する可能性が高いため、住居系や商業系地域で建築する場合には、面積制限を受けることとなります。

なお、店舗の一部であるという考え方のもと物品販売業を営む店舗に該当するとする考え方もあります。

補足:店舗販売が主目的の仕出屋

前項では、一般的な仕出屋について解説したので、ここからはもう少し詳しく説明していきます。

仕出屋(食品製造・加工を行い、専ら相当量の製品を一定のところに納める業態)については、工場に該当すると考えが基本ですが、小規模な調理スペースのみで基本的には店舗販売が主の場合には「物品販売業を営む店舗」に該当するとされています。
*出典:2017年版建築確認のための基準総則集団規定の適用事例 編集:日本建築行政会議)

ですので、工場用途には該当せず物品販売業を営む店舗に該当するため第一種中高層住居専用地域以降の用途において建築することが可能とされています。

なお、仕出屋のうち物品販売業を営む店舗に該当するとされる場合、サービス業を営む店舗に該当しないことから、第一種低層、第二種低層、田園住居において建築することができないこととなりますが、街の仕出屋(惣菜屋)の場合には調理スペースは小規模で自家販売のための食品製造業に該当するため、第一種低層住居等でも建築可能と考えられなくもないです。
*特定行政庁によって考え方が異なるので注意。

宅配サービスが主の店舗(デリバリー店舗)

令和2年から流行しはじめた新型コロナウイルスの影響もあり、デリバリーサービス型の店舗に移行されている業態が増加してますよね。

今後も増加していくことが考えられますが、デリバリー店舗の場合には、「洋服店、畳屋、建具屋、自転車店、家電電気器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗」に該当するという考え方が日本建築行政会議において示されています。

ただし、相当量の食品を調理・加工して事業所等に配達するサービスの場合で、近隣の居住環境を害する恐れがある場合(車両の頻繁な出入りによる継続的な騒音の発生)には、サービス業を営む店舗には該当せず「工場」に該当するとされています。

周辺環境を悪化するような店舗(深夜や早朝に不特定多数の車両等が出入りして騒音に問題がある場合など)でなけれはOKということです。

規模が小さいものであれば工場ではなく、サービス業を営む店舗に該当します。
つまり、原動機使用の制限があるものの第一種低層住居専用地域では兼用住宅で建築可能、第二種低層住居専用地域や第一種中高層住居専用地域、田園住居地域では単独で立地すること可能とされています。

まとめ

最後にまとめです。

仕出屋・弁当屋・宅配サービス店舗の立地可能な用途地域は次のようになります。

用途名一種低層二種低層一種中高層田園住居二種中高層一種住居二種住居準住居商業系用途地域
工場に該当しない小規模店舗⭕️
*一低層は兼用住宅のみ
*床面積の制限有
原動機使用制限
⭕️
*床面積の制限有
⭕️
*床面積の制限有
⭕️
工場に該当する場合⭕️
*床面積50㎡以内
*特定用途のみ
原動機使用制限
⭕️
*床面積50㎡以内
原動機使用制限
⭕️
*床面積150㎡以内
原動機使用制限
小規模な仕出・弁当屋・宅配サービス店舗が立地可能な住居系用途地域

注)建物の規模・形態等によっては、その用途地域に建築可能かどうかの最終判断は特定行政庁になりますので、建築予定の自治体に最終確認をお願いします。






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