【都市計画の勉強】都市計画法第34条第11・12号で建築物を建築する際の防災上の配慮事項(水害から財産を守る知識)

この記事では、2022年4月1日から施行された都市計画法第34条第11号・12号で建築物を建築する際の防災上の配慮(災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準)についての解説です。

法→施行令→施行規則→開発許可制度運用指針の順に解説しています。

▶︎▶︎▶︎この記事は以前に書いた記事の復習版です。

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防災上の配慮とは?

34条第11号 市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であつておおむね50以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、都道府県(指定都市等又は事務処理市町村の区域内にあつては、当該指定都市等又は事務処理市町村。以下この号及び次号において同じ。)の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの

34条第12号 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準に従い、都道府県の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの

都市計画法第34条第11号・第12号

11号基準とは、市街化区域に隣接(市街化区域に隣り合わせの土地)又は近接(数百m程度の範囲内 )して、加えて自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域(市街化区域と一体的な関係をもった地域)で、建築物が一定程度集積し市街化が進んでいる地域で災害の恐れのある地域を除いて条例で指定することができる区域のことをいいます。

いわゆる滲み出し開発と呼ばれるもので、市街化区域に隣接して建築が進むことで、徐々に徐々に市街地が広がっていく開発行為です(コンパクトシティ施策と逆行する制度なので都市全体を俯瞰すれば、素晴らしい制度とは言えない例外的な措置となります)

都市計画が苦手な不動産オーナーや一般的な住宅購入予定者の方であれば、安くていいとこじゃん!!(場合によっては市街化区域並に価格を設定している不動産の方もいますね〜。「将来、必ず市街化区域になります!」と言われた注意してくださいね。)

と、、、思ってしまうのですが、”建築するのに許可”を受けている時点で何かしらの問題を抱えていることになります。その一つが、このハザードエリアです。都市計画法第34条の立地基準の中では、「災害の防止のその他の事情を考慮して政令で定める基準」とされています。

この「災害の防止その他の事情を考慮して政令で定める基準」詳細は政令に規定されています。政令とは、建築基準法施行令第29条の9に規定されていて、次のハザードエリア等をいいます。❶〜❼がハザードで、❽や❾は農地法等の別法で建築物の建築ができないような地域です。

ちなみに❼については市街化区域設定の際の配慮事項にもなっているのですが・・・市街化区域にも浸水被害を受ける地域って結構あるんですよね(笑)

  1. 災害危険区域
  2. 地すべり防止区域
  3. 急傾斜地崩壊危険区域
  4. 土砂災害警戒区域
  5. 浸水被害防止区域
  6. 浸水想定区域(洪水、雨水出水、高潮)
  7. いつ水、たん水、津波、高潮等による災害の発生のおそれのある土地の区域(津波災害特別警戒区域
  8. 優良な集団農地その他長期にわたり農用地として保存すべき土地の区域(農用地区域、農地(甲種農地及び第1種農地)、保安林)
  9. 優れた自然の風景を維持し、都市の環境を保持し、水源をかん養し、土砂の流出を防備する等のため保全すべき土地の区域

浸水想定区域に関する補足

*荒川想定規模降雨を一部編集,出典:https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/kasenkanri/1233086529582.html

浸水想定区域については、さらに詳細に規定されています。

施行令では、「水防法第15条第1項第四号の浸水想定区域のうち、土地利用の動向、浸水した場合に想定される水深その他の国土交通省令で定める事項を勘案して、洪水、雨水出水(同法第2条第1項の雨水出水をいう。)又は高潮が発生した場合には建築物が損壊し、又は浸水し、住民その他の者の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域」と定められています。

国土交通省令とは、「土地利用の動向」、「水防法施行規則第2条第二号、第5条第二号又は第8条第二号に規定する浸水した場合に想定される水深及び同規則第2条第三号、第5条第三号又は第8条第三号に規定する浸水継続時間」、「過去の降雨により河川が氾濫した際に浸水した地点、その水深その他の状況」となっており、水防法施行規則の詳細は次のとおりです。

  • 規則第2条第二号:【洪水】浸水した場合に想定される水深
  • 規則第5条第二号:【雨水出水浸水した場合に想定される水深
  • 規則第8条第二号:【高潮】浸水した場合に想定される水深
  • 規則第2条第三号:【洪水】浸水継続時間
  • 規則第5条第三号:【雨水出水】浸水継続時間
  • 規則第8条第三号:【高潮】浸水継続時間

これだけと、なんのことってなりますよね。

国が公表している「開発許可制度運用指針(最終改正 令和4年4月1日国都計第161号)」では、次のように書かれています。*一部抜粋

浸水した場合に想定される水深については、一般的な家屋の2階の床面に浸水するおそれがある水深3.0mを目安とすること。想定最大規模降雨に基づく浸水により想定される水深によることが原則

つまり、浸水想定区域については、水深3m以上については開発許可を受けることができないこととなります。

なお、開発許可におけるハザードエリアの取り扱いについては各自治体によって異なりますので、詳細は各自治体毎の都市計画法第34条第11・12号基準を確認する必要があります。

まとめ

2022年3月末以前の土地では許可を受ける際にハザードエリアは考慮されていないことから洪水の被害の恐れがある地域が多いです。

特に浸水想定区域(洪水)については、〜0.5m、0.5〜3.0m、3.0〜5.0m、5.0m〜で範囲指定されていますので、住宅の規模・構造によっては洪水の発生によって使用不能となる可能性がありますので住宅購入の際には注意が必要です。

2022年4月1日以降の建築であればハザードエリアを考慮していますが、念のために自分自身でもチェックするようにした方がいいです。こちらに解説記事を書いています。

また、繰り返しですが、現在の基準では、3.0m以上の地域は許可されないようになっていますので、過去に開発された11号許可土地の場合には、ハザードマップを考慮するようにしてください。

ということで以上となります。こちらの記事が参考となりましたら幸いです。