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【レッドゾーン内での再建築】土砂災害特別警戒区域での建て替えはできるの!?

この記事では、通称レッドゾーンと呼ばれる「土砂災害特別警戒区域」内で建て替え(再建築)はできるの?という疑問・悩みに答えています。

この記事では次の4つの視点から解説しています。

  1. 原位置で建て替え
  2. 同一敷地内で土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を外して建て替え
  3. 番外編:土地・建物を手放す(売却し移転・移住)
  4. 番外編:リフォーム


こんちは!YamakenBlogです。

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❶原位置での建て替え

原位置において建て替えとは、レッドゾーンに建築物を建築することです。

ただし、原位置での建て替えでは、土砂災害から住宅を守る備えが必要です。

【なぜ昔は厳しくなかったのに今は厳しいの?】
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の構造制限が適用開始されたのは土砂災害防止法(正式名称:土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律 平成12年法律第57号)が施行された2001年(平成13年)4月1日からのため、この2001年以前の建築物には構造制限は適用されていませんでした。
※なお、自治体の崖条例は平成12年より前からあります。崖条例により別途指導が行われていました。

建築のルールを定めている建築基準法では、レッドゾーン内で建築物を建築する場合には、構造的に土砂災害(崖崩れ)にも耐えられる鉄筋コンクリートの建築物(+壁厚α)にするか、または崖(がけ)側に待ち受け擁壁を設置して土砂を食い止める方法の2種類を選択することができるようになっています。

強い衝撃と土圧が生じる土砂災害に対処するために建築物の一部を鉄筋コンクリートとすることで、どうしても通常の建築物よりも建築コストが増大します。
*建築着工統計(2022年)によると鉄筋コンクリート造の住宅と木造の戸建て住宅の1平米あたりの施工単価では、鉄筋コンクリートの方が約14万円ほど高くなります。

メリットとしては、住み慣れた場所・建て替え前の住宅位置からほぼ変わることなく再建築することができること。デメリットとしては、再建築にかかる建設費が通常の住宅よりも高くなります。

土砂災害特別警戒区域の構造制限(ルール)もっと詳しく知りたいという方はこちらの記事もご覧ください。少し専門的な内容を含まれていますが、こちらの記事に辿り着いた方であれば簡単に理解できちゃうはずです。

❷レッドゾーンを外して建て替え

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を外して建築することで土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の規制を受けないで済みます。

つまり、通常の建築計画と変わりなく住宅を建てることは可能です。

ただし、ここからが重要なのですが、建築物の敷地の周囲に崖(がけ)がある場合には、建築物が崖に対して安全性を確保することが建築基準法に基づく条例により求められます。

この条例は「条例」とあるように建築基準法ではなく建築基準法に基づく各自治体の条例により個々に規定されているためルールが統一されていないことに注意が必要です。

一般的な「がけ条例」の概要はこちらの記事に書いておりますが、詳細は「〇〇都道府県 建築基準条例」等で検索して調べる必要があります。

詳細解説はこちらの記事をご覧ください。

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を外して建築したとしても、警戒区域(イエローゾーン)にはかかることになると思います。

では、イエローゾーンには建築制限があるのかというと、イエローゾーンでは建築制限はありません。イエローでの建築についてはこちらの記事をご覧ください。

❷のメリットとしては、がけ条例により建築制限を受けない限りは建設費の増大を避けることができます。デメリットとしては、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を外さないと建築することができないために元々、立地していた場所に再建築することができないです。

※イエローゾーンであっても土砂災害による死亡事例はあるので注意は必要です。

❸土地を手放す(移転・売却)

敷地全体が土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の場合住宅を建築するためには冒頭で解説を行った❶による方法しかないため、通常よりも建設費が増大することで、予算の関係から住宅を建築することができないです。

ただし、あくまでも居室を有する建築物のみが構造の制限を受けるため、倉庫や物置などの非居室のみの建築物は制限を受けずに建築することが可能です。

ですので、住宅以外の建築物を建てたい方や資材置き場などに活用したい方にとっては購入したい方もいます。

とはいえ、農業をされている方にとっては、田畑に近い場所の方が効率が良いのでなかなか難しい決断かもしれないですが、市街化区域や非線引き都市計画区域内の用途地域指定地域などの一定の建築重要があるエリアでは売却も選択肢となります。

なお、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)では、住宅ローンの一つであるフラット35sを利用することができないため移転・売却を考える方もいます。(詳細は記事はこちらです。)

❹リフォーム

建築確認申請が不要の規模のリフォーム等であれば、建築基準法第20条(構造耐力)が遡って適用されないため、既存不適格建築物のままで新築同様とすることができます。

もちろんリフォームの内容にもよりますので一概に新築同様とはいえない部分もありますが、住み慣れた土地を離れる必要もないですし、新築同様のコストをかけなくても(劣化状況やリフォーム内容によって異なる)、使用続けることも可能となります。

また、リフォーム時に土砂災害を防止する待ち受け擁壁を築造したり外壁を鉄筋コンクリート造とすることで、現行法に適用させることも可能となっています。

≫≫≫住宅のリフォームに関して、確認申請との関係性など、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もあわせてお読みください!!

ただし、現行法に適用させなければ、災害リスクを抱えたままとなるので、大雨時には避難する体制を整えておく必要があります。

リフォーム工事については、構造や築年によって改修方法が異なることがあります。

建築確認申請が木造住宅のリフォームは建築士による設計が不要なことから、悪質な事業者によりテキトーな改修をされることがあります。

市役所に相談に来る市民の方々を何度も見て来て身からすると、信用できる知り合いの建築士や工務店等がいればそういった方に相談するのが一番ですが、そうではない場合は下手に自分で探したり悪質な訪問営業よりも大手のリフォーム会社紹介サイトを使用する方法もあります。

参考までに大手2社の紹介サイトを掲載しておきます。

居室が無い建築物(倉庫など)は法規制の対象外

砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)での建築規制の制限を受けるのは、居室といって、人が入れ替わり立ち替わり使用する部屋がある建築物の場合のみです。

このため、この居室が設置されない倉庫や物置は土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の建築規制を受けないです。
*倉庫でも作業場が設置される場合には作業場が居室に該当するため、レッドゾーン内での建築制限をうけます。

令和4年の土砂災害(土石流、地すべり、がけ崩れ)の発生件数は795件

https://www.mlit.go.jp/report/press/sabo02_hh_000138.html

2022年1月1日から12月31日までの間に国内で発生した土石流、地滑り、崖崩れ等の土砂災害の発生件数は合計で795件、このうち、死亡者は4名、住宅被害は284戸となりました。
*出典:国土交通省

昭和57年から統計が開始され、令和4年までの合計に対する平均値は1099件となっており、平均値と比較すると少なかった年となっていますが、それでも土砂災害によって約300戸近い住宅が被害を受けています。

ですので、崖がある限りはどのような場所でも土砂災害が発生する可能性は十分にあります。

土砂災害の危険性があるエリアはレッドゾーンだけではない

土砂災害というと、土砂災害特別警戒区域のみをイメージしがちですが、土砂災害特別警戒区域の他にも急傾斜地崩壊危険区域地滑り等防止区域、レッドゾーンまでの危険性は低いものの大雨時には注意が必要な土砂災害警戒区域(イエローゾーン)が存在します。

いずれも建築物や人命に影響を及ぼす区域となります。

また、これらの地域は土砂災害特別警戒区域に重複して指定されているケースもあります。

なお、建築基準法と直接的に関係性のある区域は土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)のみで、急傾斜地崩壊危険区域内などでは、建築物を建築する場合にはそれぞれの法律に基づき許可を受ける必要があります(レッドゾーン内の住宅建築は建築確認申請で審査)。

まとめ

まとめると、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)での建て替えでは、

原位置での建て替え
建物位置をズラして建て替え
移転・売却 
リフォーム

の4つの選択肢を解説しました。

それぞれ、メリットとデメリットがありますので、一概にどの方法が最良であるかは個人の事情や土地条件によって異なりますので私が「この方法が良いですよー!」とはいえないのですが、『何を優先したいのか』で検討するのが最適な答えに近づくと思います。

それでは以上です。こちらの記事が参考となりましたら幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。