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【最悪は懲役刑】用途変更確認申請しないとどうなる??

この記事では、用途変更確認申請を行わないとどうなるの?という疑問に答えています。

結論としては行政指導を受けるか、最悪の事態は刑事告発によって警察のお世話になります。

こんにちは!YamakenBlogです。

このYamakenBlogでは、難解な建築基準法をはじめ、都市計画法や都市再生特別措置法、宅建業法などのまちづくりに欠かすことのできない法律について、出来るだけ分かりやすく解説を行っています。

建築・不動産業界の方々や、これから住宅を建築を予定されている方、店舗経営で立地戦略を検討されている方のお役に立てるはずです。

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行政指導を受ける

用途変更確認申請を行わないで建物を使用し続けていると、ある日突然に行政職員(都道府県または市の建築指導部局)から電話がくるか、または行政職員が訪問してきます。

その段階で、ほぼ黒(法律違反)が確実のため弁明の余地はほぼないです。

過去行政職員でした私から言えることは、行政は自身のミス・落ち度がないようにすることが前提で動いている組織なので、調査対象を徹底的に調べた上で違反性を認知しますので、違反誤認ということはまずないです。

ではなぜかです。

用途変更を行うと目立ちます。

特に延べ面積200㎡超となるとそれなりに大きいので、従前の用途との違いが明らかに分かりやすいです。

関連記事:用途変更確認申請の条文はどこ!?

行政では日頃から違反建築物のパトロールを行っているのと、街中の建築動向を指定確認検査機関等から上がってくる建築計画概要書等のチェックから確認していますので、まちなかに突然現れた行政の目に触れていない建築物は間違いなく目をつけられます。

または、善良なるプロ市民という存在もいます。

彼らは地域の秩序を整えるために法律違反者を見つけると善意をもって行政に通報します(あくまでも善意!)。ただし、用途変更確認申請の場合には新築と異なり違反性の判断は難しいので用途変更の場合には通報され難い傾向にはあると思います。

【補足】
私の経験ありませんが、行政以外の一般市民でも建築基準法のルールに違反してる事実を明らかにすることで刑事訴訟法239条1項による『刑事告発』を行うことができるルールではあるので、行政指導を飛ばして警察が捜査する可能性も否定はできないのですからホント注意してください。

行政指導とは、ほぼ黒よりのグレーを100%の黒(違反事実の確認)にするためと、違反解消のために建築基準法第12条第5項に基づく報告書を行政に提出してもらうことになります。

ただし、利用者の生命に関わるような緊急性が高い場合には12条5項報告の前に使用停止等の指導が入る場合もあります。ですが、よほどの悪質性がない限りはこの建築基準法第12条第5項報告書によって事実を明らかにして是正します。

実態上の違反がなく”用途変更手続き違反のみ”であれば、悪質性がない限りは行政が刑事告発しないと思いますので、『次からは注意してくださいね!』でいった感じで建築基準法第12条第5項報告の中で顛末書や改善書等の提出で済むとは思います。

では話を戻しまして、顛末書等の提出で済むという話ですが、本来は罰則が設けられていますので、次項ではこの罰則規定を解説します。

用途変更確認申請しない場合の罰則

用途変更確認申請手続き行い、確認済証の交付を受けなかった場合は『1年以下の懲役または100万円以下の罰金』となります。

普通に懲役刑になる可能性があるのは驚いた方もいるのではないでしょうか。

それだけ用途変更確認申請というのは重きのある法律のルールなのです。

特殊建築物は多くの人の利用が考えられる建築物ですので、間違えた設計を行えば国民を危険にさらすことにつながってしまうので、このような罰則規定になっているものと考えられます。

第99条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
 第6条第1項(第87条第1項、第87条の4又は第88条第1項若しくは第2項において準用する場合を含む。)、第7条の6第1項(第87条の4又は第88条第2項において準用する場合を含む。)又は第68条の19第2項(第88条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
*第87条第1項→用途変更確認申請手続きのこと

建築基準法第99条第1項第1号

なお、他サイトでは確認申請手続き違反しても建築物の実態の違反がなければ口頭注意のみで済まされるといった内容も散見されますが、違反事項の報告もさせずに口頭注意のみで済まされるようなことはないです(私の知る限りですので、指導がゆるゆるの自治体もごく稀にあるかも)ので騙されないようにして欲しいです。

確認申請手続きを経ておらず実態上の違反があれば変更する前の状態の戻すのが指導の基本としている自治体もあります。

『それはやりすぎ!』と思うかもですが、そうなると犯罪を犯した方がメリットになるという社会の秩序が乱れる事態になるので現状回復は理にかなっています。

また、最近ですとSNSで晒される可能性がありますよね。人生まで終わってしまう可能性があるので必ず用途変更確認申請は行うようにした方がいいです。

まとめ

まとめです。

用途変更確認申請をしないと、

  1. 近隣住民や利用者から通報されれば、行政指導を受ける。
    *ここで法第12条第5項の報告により違反事実の確認→是正が行われ通常は完了。
  2. 行政指導に従わなった場合、行政による刑事告発
  3. 証拠隠滅の可能性ある場合など、警察により逮捕
  4. 刑事裁判1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金

となります。

用途変更確認申請については、こちらの書籍は、建築の法律家である佐久間さん(@yu_sakuma)が書かれている書籍です。

リノベーション等でポイントになる建築関連法規を事業者向けにわかりやすく解説していて、用途変更を検討する際の参考となります。
建築士の方も不動産オーナーの方もお持ちになった方が事業上のメリットある書籍かと思います。

また、不動産オーナーに限ったことですが、延べ面積200㎡超の特殊建築物の利用計画がある場合には、賃貸借契約を締結する際には必ず法令遵守をするように説明するとともに契約条項の確認を徹底するのが良いです。(必要に応じて弁護士に相談するのが望ましいと思います。)

補足:手続き違反のみで済まされない場合も

用途変更確認申請をしなくても手続き違反だけだろうしと思っても実態上の違反となるとそもそも事業が成り立たなくなるケースがあります。

それが、建築基準法第48条の用途地域や49条の特別用途地区地区計画などに違反することです。

どういうことかというと、都市計画区域内でかつ市街地とされるエリアでは、無秩序な街が形成されるのを防ぐために建物用途や規模によって立地をコントロールしています。その立地コントロールの用途地域規制や特別用途地区などです。

例えば、低層住宅地では、騒音等による住宅環境悪化を防ぐため風俗系施設や大規模なスーパーの建築を制限したりしています。

用途地域では全部で13種類あり、それぞれ建てられる建物用途と規模が決められているので、用途変更を行った建物の場所の用途地域に反すれば変更すること自体不可となります。

»»»用途地域一覧はこちら


また、市街化調整区域の建築物の場合には建築基準法のみならず都市計画法違反にもなります。

つまり、2つの法律に違反することになります。

とはいえ、市街化調整区域内は大規模な建築物自体が少ないので200㎡超の建築物を用途変更するのは考えにくいですが、仮に違反すると建築基準法とは別に指導を受けることとなります。

»»»都市計画法違反に関する関連記事はこちら

補足:用途変更は完了検査不要

用途変更確認申請を行い確認済証の交付を受けた建物は、新築や増築と違って完了検査申請は不要で、完了届の提出のみでOKとなります。

このことについて簡単に解説を行っている記事となります。

関連記事:用途変更は完了検査不要






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など